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セルジュ・ミラードさんと日本の時計業界を語る(1/1)

 旧知の一人に、『ヨーロッパスター』編集長のセルジュ・ミラードさんがいる。創刊90年を超える雑誌の編集長で、なんというか、ラグジュアリー業界のセレブである。しかもそのくせ、人柄がちゃんとしている。次号は「ファーイースト」の特集らしく、編集長自ら日本にやってきた。その前の週は香港。「今週はカシオ、来週はシチズンとセイコーに行く」らしい。関係者が来ると、飲んで情報交換をするのはこの世界の常。副編集長の鈴木幸也さんと、歌舞伎町の居酒屋に出向いた。
彼が興味を持っているのは、日本の時計メーカーがプレミアム以上に進出しようとしている点。率直にどう思うかと聞かれた。個人的な意見と前置きしたうえで、グランドセイコーはうまくいくかもしれない、と答えた。彼もハードルの高さは認めつつも、グランドセイコーには可能性があるだろうと述べた。二人で共通した見解は、賃金の安さだ。ここ20年、日本の労働者の賃金は全然上がらなかった。結果として、グランドセイコーの価格帯でさえ、まだ職人の技が残されている。機械化が進んだスイスの時計メーカーでは考えられないことだ。その証拠に、彼は日本の物価が安い、と何度も語っていた。10年前、スイスと日本の物価はそんなに変わらなかったはずだ。10年間の足踏みを思い、正直愕然とした。(広田雅将)

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