時計用語辞典

サイクロイド歯車

Cycloidal wheel

歯形がサイクロイド曲線に従った歯車のこと。三角状のインボリュート歯車に対して、歯形が円弧状であり、よりトルクの伝達効率が高いとされる。見た目にも優れるが製作に手間がかかるため一部の高級時計にのみ採用されている。なお、現在の標準的なサイクロイド歯車はNIHS歯形(1961年制定)。パテック フィリップやジャガー・ルクルトはNIHSを改良し、より伝達効率に優れたSPYR(スピール)歯車を開発した。その伝達効率は95%以上。現在多くの時計メーカーが採用するのは、低コストかつ伝達効率の高いサイクロイドとインボリュートの折衷型。これは歯先に円弧を与えているが、全体の形状はインボリュートに従った三角形である。