根強い人気の「パンダ文字盤」クロノグラフ4本をロレックスやブライトリングなどから紹介

いわゆる「パンダ文字盤」と呼ばれるクロノグラフでは、横3つ目のダークカラーのサブダイアルが白系の背景に配され、動物のパンダの白い顔に黒い目と鼻を想起させる。パンダ文字盤は1960年代から70年代にかけて普及したが、ここ数年になり再び人気が高まり、逆パンダをはじめカラーバリエーションも豊富になってきた。今回はパンダ、もしくは逆パンダモデルの腕時計を4本紹介しよう。

ティソ「ティソ ヘリテージ1973」

「ティソ ヘリテージ 1973」は、ティソとモータースポーツの関係が深まる中で1973年に登場した、レーシングウォッチのスピリットを受け継いで復刻したスポーツ・クロノグラフだ。独創的なパンチングレザーストラップは、レーシングカーのステアリングホイールに着想を得たデザインとなっている。オーバルクッション型ケースには、最長60時間のパワーリザーブを備えたバルジューの自動巻きキャリバーA05.H31を搭載している。

ロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」

　ロレックス唯一のクロノグラフコレクション「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」。2023年はそんなコスモグラフ デイトナ誕生60周年の節目である。6月には、ロレックスがオフィシャルタイムピースを務める「ル・マン24時間耐久レース」の100周年を記念した逆パンダ文字盤の特別なモデルが発表された。ムーブメントにはCal.4131をアレンジしたCal.4132を搭載し、9時位置のインダイアルは通常の12時間積算計ではなく24時間積算計で、ル・マン24時間耐久レースにふさわしい仕様であり、セラミックスベゼルの赤い「100」の数字と合わせて、特別感を高めている。

ブライトリング「クロノマット B01 42」

　クロノグラフ機能を装備したパイロットウォッチの先駆者である、ブライトリングの代表的なモデルが1983年に誕生した「クロノマット」だ。2020年、現代的解釈を加えた新シリーズ「クロノマット B01 42」として完全リニューアルを果たした。左右対称ケースにルーローブレスレット、ライダータブ、タキメーターといった意匠はオリジナルモデルから継承されたものだ。直径42mmのステンレススティール製ケースが内包するのは、コラムホイール制御、垂直クラッチ、約70時間のパワーリザーブを保持する自社製自動巻きキャリバー、ブライトリング01である。他のすべてのブライトリングの時計と同様に、C.O.S.Cの認定を取得している。

パルミジャーニ・フルリエ「トンダ GT クロノグラフ」

　パルミジャーニ・フルリエが2021年に発表した「トンダ GT クロノグラフ」は、シルバーをベースにブラックのインダイアルを組み合わせた逆パンダ文字盤を採用する。ダイアルには三角錐を規則正しく並べたような「クル・トリアンギュレール」モチーフのギヨシェ装飾が刻まれ、肉抜きされたデルタ針などの直線的なフォルムがスタイリッシュな印象だ。本モデルは、クロノグラフの他にアニュアルカレンダーを備えており、ベーシックな横3つ目配置のクロノグラフの中に、もうひとつの付加機構を目立たせることなく上手く溶け込ませている。日付は12時位置の窓に大きく表示されているが、3時位置のスモールセコンド部分に小窓が設けられ、「MONTH」の文字の隣に設けられた小窓に月が表示される。年一回または3月1日に調整を要する。