高級時計にふさわしいクォリティを備えたウルベルクの知られざる本質

2016.02.04

UR-106M LOTUS
ウルベルク初の婦人用モデル

2015年に満を持して発表されたレディスピース。通称「ブラック ロータス」。ベゼルを絞ったスレンダーなフォルム、ラピスラズリ製のムーンディスクなど、そこかしこにフェミニンな要素が見え隠れする。ダイアルの周囲にはブラックダイヤモンドをセット。自動巻き(Cal.6.01)。52石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS×Ti(縦49.4×横35mm)。3気圧防水。世界限定11本。1250万円。
   
UR-105 TA
伝統をまとったラジカルなかたち

ギョーシェ、ペルラージュ、サンドブラスト、サテンなどを駆使して伝統技術にオマージュを捧げたモデル。外装はブラックPVD加工のチタン製ミドルケースに、同じくブラックPVD加工のスティール製ベゼルを組み合わせている。通称「オールブラック」。自動巻き(Cal.5.02)。52石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS×Ti(縦53×横39.5mm)。3気圧防水。世界限定100本。925万円。

 「最先端技術と伝統工芸からのいいとこ取り」を企図して作られたのが「UR-105 TA」である。例を挙げよう。アワーサテライトには視認性向上を狙ってPEEK製のカバーが付けられたが、そこには伝統的な技法でギョーシェ仕上げが施されている。あるいは、アワーサテライトディスプレイの核となるアルカップ製のカルーセルは、ルテニウム処理、マイクロサンドブラスト研磨を施した後に、サテン仕上げでフィニッシングするという念の入れようだ。もちろん、パーツは最先端のCNCで製作されることはいうまでもないだろう。

 アワーサテライトディスプレイには改良が加えられた。ベリリウムブロンズ製のマルタ十字、アワーサテライト、PEEK製の回転体、アルカップ製のカルーセルと三重の地板からなるウルベルク独自の時刻表示機構は、従来にも増して摩擦が軽減され、アワーサテライトのより滑らかな回転を可能にしたのだ。

 UR-106は同じアワーサテライトディスプレイを備えたレディスモデル。スレンダーなケースと豪奢なジュエルセッティングが特徴だ。

  
こちらはホワイトダイヤモンドをセットしたSSケース、Ti製リュウズ、ケースバックからなるUR-106 ロータスのデザイン画。蓮の花に見立てたディスプレイが瀟洒な印象を見る者に与える。
  
UR-105 TAが搭載する自動巻きCal.5.02の展開図。パーツの配置を変えるなど、従来のアワーサテライトディスプレイに改良が加えられた。