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【クロノスドイツ版 翻訳記事】知られざる 時計大国 ドイツ(3/4) 2016年05月号(No.64)

Glashütte
グラスヒュッテ

GLASHÜTTE ORIGINAL
〈グラスヒュッテ・オリジナル〉
創立年: 1845年
所有者: スウォッチ グループ
価格帯: 4100~32万5000ユーロ(65万円~)
年産本数: 非公開
主要モデル: セネタ、パノ、シックスティーズ、セブンティーズ、セレナーデ、パボニーナ
正式名称: Glashütter Uhrenbetrieb GmbH
本社所在地: Altenberger Str. 1, D-01768 Glashütte
ウェブサイト: www.glashuette-original.com

セネタ・コスモポリト
リファレンスナンバー:1-89-02-01-05-05
機能:ツータイムゾーン(37ゾーンより選択可能)、
サマータイム切り替え、デイ/ナイト表示、パノラマデイト、
パワーリザーブ表示
ムーブメント:Cal.89-02(自社製、自動巻き)
ケース:18Kレッドゴールド、直径44mm
価格:420万円
パノマティック・ルナ
リファレンスナンバー:1-90-02-46-32-05
機能:ムーンフェイズ、パノラマデイト
ムーブメント:Cal.90-02(自社製、自動巻き)
ケース:ステンレススティール、直径40mm
価格:108万円

【沿革】 170年ほど前に、初めてマイスター時計師が移住して以来、独自の進化を遂げてきた山間の町グラスヒュッテ。小型時計からクロックに至るまで、さまざまな形態の製品を多数のメーカーが競っていた。土地の名そのものが、ドイツ高級時計の代名詞として名声を確立するも、第2次世界大戦後は、ドイツ民主共和国(東ドイツ)成立の過程において、残存するすべてのメーカーが国営に一本化。その結果、一大巨大企業として生まれ変わったVEBグラスヒュッター ウーレンベトリープ(GUB)が、今日のグラスヒュッテ・オリジナルの基盤となっている。東西冷戦時代は、東ドイツ国家全体の時計の製造と供給を一手に担っていたという実績は大きい。
1990年10月3日、東西ドイツ統一に際して民営化し、高級路線に絞って機械式時計生産のみにシフトチェンジ。2000年にスウォッチ グループの傘下に入る。豊富なノウハウを生かして、文字盤を含む全部品の約95%を自社内で製造。ドイツ屈指のオーセンティックなマニュファクチュールとして、最新鋭の加工技術をもって最高峰の時計技術の伝統を提示している。
後進の育成にも力を入れており、2002年に「アルフレッド・ヘルヴィグ時計学校」を開校。2008年には時計ミュージアムも新装移設し、時計産業都市の歴史継承者としての役割をも担っている。

MORITZ GROSSMANN
〈モリッツ・グロスマン〉
創立年: 2008年
所有者: クリスティーネ・フッター
価格帯: 2万1400~16万8000ユーロ(280万~2300万円)
年産本数: 約200本
主要モデル: ベヌー、アトゥム、テフヌート
正式名称: Grossmann Uhren GmbH
本社所在地: Ufer Str. 1, D-01768 Glashütte
ウェブサイト: www.grossmann-uhren.com

ベヌー・パワーリザーブ
リファレンスナンバー:MG01.C-03-A000006
機能:パワーリザーブ表示
グロスマン製プッシャー付き手巻き機構
ムーブメント:Cal.100.2(自社製、自動巻き)
ケース:プラチナ、直径42mm
価格:490万円
テフヌート
リファレンスナンバー:MG04.F-01-A000352
ムーブメント:Cal.102.0(自社製、自動巻き)
ケース:18Kローズゴールド、直径39mm
価格:280万円

【沿革】 モリッツ・グロスマン(カール-モリッツ・グロスマン)は、グラスヒュッテのみならず、ドイツ時計の歴史を語るときに欠かせない時計師のひとり。ドレスデンの王宮時計師グートケスの下で修業後、グラスヒュッテのランゲや、ラ・ショー・ド・フォン、ロンドンなど欧州各地で腕を磨く。1854年にグラスヒュッテで自身の工房を開設し、懐中時計だけにとどまらず、マリンクロノメーターや振り子時計、計器類、工具類と、精密機械を幅広く製造した。1878年、ドイツ時計学校の設立に際し、精力的に行動した中心人物であり、教師としても活躍。時計関連書籍がフランス語中心だった当時、ドイツ語による著作を残し、ドイツ時計界に大きく貢献した。
2008年創業のまだ新しいブランドではあるが、オーナー自らが時計師で、グラスヒュッテ・オリジナルやA.ランゲ&ゾーネなどの一流メーカーだけでなく、高級時計店ヴェンペなどでも働いたキャリアがあるだけに、審美眼は高い。製品は全体的にクラシックな面持ちだが、オリジナルのムーブメントは確かな操作性と優れた耐久性を重んじ、優美さと堅実さを兼ね備えている。

左:Tom Vietze トム・ヴィーツェ ― モリッツ・グロスマンの時計師
目下のところ、トゥールビヨンを製作中。キャリッジの組み立ては、パーツに美しく仕上げを施した後に始める。オフの日は、ザクセンのスイスと呼ばれる岩壁で、クライミングを満喫している。
右:Jana Claus ヤナ・クラウス ― モリッツ・グロスマンのパーツ加工技術者
担当しているのはテンプ受けの仕上げ。縁を研ぎ、鏡面に磨き上げる作業は、何段階ものステップに及ぶ。その後、グロスマンの典型的な調整ネジと緩急針を組み合わせ、テンプ受けにセッティングする。仕事以外の時間は、家族と庭仕事をするのが憩い。

左:Hartmut Hille ハルトムート・ヒレ ― SUGグラスヒュッテ(ケース製造メーカー)の表面加工技術者
粉塵を寄せ付けない機械の中にケースのパーツを持った手を差し込み、ブラスト・ピストルで吹き付けて、表面にニュアンスを加えて仕上げるのが担当業務。仕事が終わると、バイアスロンのトレーナーとしても活躍している。
右:Sebastian Hutkai セバスティアン・フートカイ ― モリッツ・グロスマンのパーツ加工技術者
針の加工を担当。ダイヤモンドのヤスリを使用して立体的に成形し、研磨をかけてから、直火で炙って茶色味を帯びたすみれ色に仕上げる。週末の楽しみは、故郷であるエルツ山脈地方をバイクでツーリングすること。
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