ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ ラグジュアリースポーツウォッチの新定義

2016.04.03

Cal.5100
5000系の基本となるツインバレルのインダイレクトセンターセコンド仕様。方位盤を模したウィンドローズ・ローターを備える。直径30.6mm、厚さ4.7mm。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。部品数172点。

 しかし2016年のS.I.H.H.で発表された第3世代のオーヴァーシーズを、我々は驚きの目で眺めることになった。オーヴァーシーズの象徴と思われていた8葉のベゼルが6葉へと改められていたからだ。この大胆なエステティックチェンジへと至る筋道を、アーティスティック・ディレクターを務めるクリスチャン・セルモニ氏の言から辿ってみよう。

「第2世代のオーヴァーシーズは、〝典型的な2000年代のデザイン〟として確立され過ぎていました。現代の視点で見れば〝アグレッシブ過ぎるデザイン〟なのです。我々が最初に目指したことは、堅さを取り除いて、よりソフィスティケートされた印象を与えることでした」

 セルモニ氏、そしてヴァンサン・カウフマン氏らを筆頭とするデザインチームは、第2世代オーヴァーシーズからの改善項目を次のように分析した。まずはダイアルの〝オープンさ〟の拡大。ベゼル幅を絞って、ダイアル開口部を大きく取る手法は、近年のウォッチデザインにおける定石のひとつであるからこれは順当だ。さらにケースフォルムが〝トノー〟に見えてしまうことも改善点として挙がった。そこでダイアル開口部を大きく取りつつ、ラウンドフォルムをより強調するために、新しく導入されたディテールが、ベゼル下のディスクであった。この手法は徹底されており、ディスクの径はケースの横幅を超えてはみ出すほど。後の設計段階で、エンジニアが〝エラーではないか?〟と疑ったほどだと言う。

オーヴァーシーズ [Ref.4500V/110A-B126]
SSケースのシルバートーンダイアル。スティールブレスレット、アリゲーターレザーストラップ(黒)、ラバーストラップ(黒)の3種、フォールディングクラスプが付属。自動巻き(Cal.5100)。直径41.0mm、厚さ11.0mm。15気圧防水。予価247万5000円。

オーヴァーシーズ [Ref.4500V/000R-B127]
18KPGケースのシルバートーンダイアル。アリゲーターレザーストラップ(茶)と、ラバーストラップ(茶)、フォールディングクラスプが付属。自動巻き(Cal.5100)。直径41.0mm、厚さ11.0mm。15気圧防水。予価442万5000円。

オーヴァーシーズ[Ref.4500V/110A-B128]
完全刷新を受けたオーヴァーシーズのセンターセコンドモデル。シンプルかつエレガントな意匠は、積み上げられたディテールの冴えを一層際立たせる。写真はSSケースのブルーダイアル。スティールブレスレット、アリゲーターレザーストラップ(青)、ラバーストラップ(青)の3種、フォールディングクラスプが付属。自動巻き(Cal.5100)。直径41.0mm、厚さ11.0mm。15気圧防水。予価247万5000円。