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【クロノスドイツ版翻訳記事】「戦争と平和」(3/4) 2016年07月号(No.65)

ジラール・ペルゴの初期の腕時計。同社は1880年からドイツ海軍用に腕時計を納品していた。

 軍用の装備品として、腕時計の機能が真価を発揮する試金石となったのは、1899年から1902年までの第2次ボーア戦争である。1904年発行のライプツィヒ時計師新聞には、オメガ時計販売組合の広告が、戦局を報じる記事のごとく、かなりの大きさで載っている。そこに出ているのは、アフリカのフランス植民地で〝特殊任務〟の砲兵中隊を指揮したフランス陸軍中佐ウルダンの手紙だ。

「活動的な軍隊において、一致した時間を把握することは重要である。欧州大陸軍の報告により、私はカナダへの移動時に備えて1ダースのオメガの腕時計を携帯し、その中から、カプシュタットへ向かう隊の軍曹にも分け与えた。騎馬兵団が、幾月にも及ぶ長い任務の間に有意義に使うとなると、それは難しい試みには違いない。ことに隊の行進を停止せざるを得ないような強い暑さや寒さ、ならびに激しい雨や砂嵐には考慮せねばならない。この時計によって、ほとんど全員の将校と兵団の隊員が任務と移動を良好に行い、どこにおいても満足のいく結果を出すという成果を挙げた。ケース内の湿気は外側を錆びさせたが、それによってムーブメントが錆を帯びることはなかった。私が行進の全体を通して着けていた1本の腕時計は、まだきれいな状態を保っている。現在は砲兵隊のために常に着用しており、野戦の装備品として欠かせないものと感じている」

 この肯定的な見解は、一定の効力があったようだ。1914年開戦の第1次世界大戦の頃、腕時計は特に兵士の間で急速に受け入れられていった。1916年に出版された『戦争の知識──将校用前線ハンドブック』という書籍をめくると、次のような記述が見られる。

「英国王立スコットランド国境部隊の大尉B・C・レイクは、将校が欠かさざるべき装備をリストアップした。前線における将校用の一式は、目下のところ以下のものとする。夜光数字と破損防止性のあるガラス付きの腕時計、リボルバー、双眼鏡、潜望鏡、方位磁石(後略)」

第2次ボーア戦争後の1904年、ライプツィヒ時計師新聞に掲載されたオメガの広告。
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