スターン父子が創り上げたミニット・リピーター百花繚乱の極み

2016.10.03
吉江正倫:写真
Photographs by Masanori Yoshie
鈴木幸也(本誌):取材・文
Text by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)

何人も到達できないパテック フィリップ頂点の証し

パテック フィリップのカタログを見ると、
同メゾンの中でも最上位に位置するグランド・コンプリケーションに分類されるミニット・リピーターの価格欄には「時価」と記されている。
これは、ミニット・リピーターがあまりにも高額のため、為替変動の影響を大きく受けるためだ。
この例を挙げるまでもなく、買い方ひとつとっても、すべてが例外的なパテック フィリップのミニット・リピーターであるが、
その稀少なモデルが7本、1カ所に集結し、しかも、その音色を聴き比べるという、夢のようなイベントが催された。
しかも、パテック フィリップ ジャパン代表取締役CEOの長野英樹氏自らが、ミニット・リピーターを解説するという、
スペシャルプレゼンテーション付きである。
そこで、今号では、そのイベントの一端を特別に誌上でレビューする。
なぜ、パテック フィリップのミニット・リピーターが、あらゆる複雑時計の中で頂点に位置付けられるのか?
その理由がきっと理解できるだろう。