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〝シンボライズ〟の闘い ベル&ロス BR 01 ニューコレクション(1/1) 2016年11月号(No.67)

吉江正倫:写真
Photographs by Masanori Yoshie
鈴木裕之:取材・文
Text by Hiroyuki Suzuki

ベル&ロス BR 01 ニューコレクション

ベル&ロスの基幹コレクションとしてだけでなく、
今や愛好家のためのアイコニックモチーフとして認知度を高めている「BRシリーズ」。
航空機の計器やコックピットクロックがデザインワークの源流だが
BRシリーズを取り巻くモチーフの源泉は、それだけに留まらない。
往年のマリンクロノメーターを模した新作と、“スカルシリーズ”の
最新作からは、コレクター心理を刺激するような“風景”が見えてくる。

BR 01 インストゥルメント ドゥ マリン
経年変化が楽しめるブロンズケースにホワイトエナメル調のダイアルを配した新作。往年のマリンクロノメーターを基調としたデザインは、判読性に極めて優れる。手巻き(BR Cal.203)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約56時間。ブロンズ×Ti×ローズウッド(縦46×横46mm)。世界限定500本。予価110万円。11月発売予定。

 なんとも印象的な2本である。航空機のコックピット・インストゥルメントをモチーフに、鬼才ブルーノ・ベラミッシュが構築したベル&ロスのアイコン「BR 01」。しかし時計愛好家からの絶大な支持を受け、ひとり歩きを始めたBR 01は、現在ではさまざまなイメージの翼を広げている。さしずめこの2本の並びなら、〝大海原を荒らし回った海賊と闘うイギリス海軍〟といった風情だ。もっとも、海賊たちが最も暴れ回ったとされる17世紀中頃に、量産されたマリンクロノメーターは存在しなかったはずだが、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの『パイレーツ・オブ・カリビアン』で描かれた時代設定が、海賊の再興期にあたる18世紀初頭だとすれば、ピエール・ルロワのデテント脱進機がやっと間に合う計算か? まぁ、そんなことはどうでもよい。

 端正なホワイトダイアルを備えた「BR 01 インストゥルメント ドゥ マリン」は、まさしく航海用精密時計として重用されたマリンクロノメーターのイメージ。ミドルケースはチタン製だが、ブロンズ製のベゼルと、ケースサイドのローズウッドが、頑丈な木箱にジンバルを介して据え付けられた、デッキクロックの姿を想い起こさせる。ダイアルはいわゆる〝コールドエナメル〟と称されるホワイトラッカーのポリッシュ仕上げだが、表面には適度な瑞々しさを持った光沢感がある。特にインナーベゼルリングの塗膜はぽってりと肉厚で、何とも言えない色香が漂う。ブロンズケースの経年変化が進んで、パチナ(銅錆)が浮いてくれば、また異なった迫力を見せるだろう。なお実機には、装飾が施されたBRキャリバー203(ユニタスベース)が搭載され、グラスバックから眺めることができる。

BR 01 バーニング スカル
2009年から続く“スカルシリーズ”の5作目。ケース全体に“タトゥー”を施し、スカルレリーフも立体的になった。短剣を模した時分針も、本作ではスケルトナイズされ、より緻密な造形が与えられた。自動巻き(BR Cal.302)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SS(縦46×横46mm)。世界限定500本。96万円。

 一方の「BR 01 バーニング スカル」は、2009年から続く〝スカルシリーズ〟の5作目。ジョリー・ロジャーの海賊旗として特に著名なスカル&クロスボーンのモチーフは、現在では空挺部隊のシンボルなどの他、一種のタリスマン(護符)としても広く用いられている。本作ではスカルモチーフをより写実的なレリーフに仕上げた他、ケース全体にタトゥーが施された。ラインアートとして描かれる炎のタトゥーには、心臓、薔薇、鎌、砂時計のモチーフが隠され、緻密なグラフィックを形成。ケースに彫り込まれたラインに、スタイレット(中空の針)を用いてブラックラッカーを置いてゆく工程は、すべて職人の手作業だ。焼き付けによって光沢感を増したペイントと、マイクロブラスト仕上げを施されたスティールケースのセミマットな質感とのコントラストは、実に見事なものである。

Contact info: オールブルー Tel.03-5977-7759
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