デジタル日付表示の最進化形

2017.04.18

 日付も月も、表示にはそれぞれ2枚のディスクが用いられている。日付表示は10の位のディスクを右側に置く。そのディスクに開けた穴から1の位の数字が姿を現す仕組み。一方、月表示は、2枚のディクを用いているが、実際に2桁が必要な10~12月の表示は左側のディスクのみで表示する。1~9月は左のディスクは0を表し、その脇の窓から右側のディスクの数字だけが順に切り替わってゆく。つまり、月表示ディスクは、月の大小を判別しながら右のディスクが9カ月分を順に進み、その間、左のディスクは止まったままで、10月以降の3カ月間だけを月の大小に合わせて切り替わるのだ。この複雑なディスクの動きは、円形に構築された永久カレンダー輪列の3時位置にある月プログラム歯車で制御される。さらに、この歯車の下には、クイックアクション・スイッチが噛み合っている。これはゼンマイを備えるレバーを持ち、日付表示ディスクが切り替わる動きを利用し、カムを通じて1カ月にわたって徐々にパワーを蓄え、月替わりの瞬間に一気に放出する。月表示ディスクをこれで動かすのだ。長いレバーがてこの原理で歯車を引き回すから、小さなゼンマイに蓄えたわずかなパワーでも、年始には閏年表示ディスクも含め最大5枚のディスクを同時に切り替えるにも十分。ふたつの2桁デジタル表示は、ムーブメント本体のトルク落ちを最小限に抑える工夫が巧みだ。

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【美しいカレンダー表示を求めて】
Part.1:カレンダー表示進化論
Part.2:日付表示窓大型化への挑戦
Part.2:年次カレンダーの視認性革命