ロレックスの人気コレクション、「コスモグラフ デイトナ」を紹介。ケース素材やダイアル、ブレスレットなど、豊富なバリエーションを展開するデイトナの魅力に触れてみよう。
Text by Tsubasa Nojima
[2024年5月16日公開記事]
ロレックス「コスモグラフ デイトナ」とは?
魅力的なコレクションが多くそろうロレックスの中でも、特に高い人気を誇るのが「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」である。そのルーツは、1963年に誕生した、ベゼルにタキメータースケールを配した手巻きクロノグラフ。ロレックスがデイトナ・インターナショナル・スピードウェイの公式タイムキーパーとなったことで、デイトナという名前が与えられた。過酷なモータースポーツに耐えうる機能性と堅牢性を武器に、多くのドライバーに愛用されてきた逸話は、時計愛好家に憧れを抱かせた。
実用性を追求するロレックスらしく、デイトナは誕生以降も着々と進化を重ねる。クラシカルなポンプ型のプッシャーをねじ込み式とすることで、高い防水性を獲得。1988年には、ゼニスのエル・プリメロをベースとした自動巻きムーブメントを搭載し、その後2000年には自社製クロノグラフムーブメントの搭載に成功するなど、スペックのブラッシュアップに精力的に取り組んできた。
そして誕生から60周年を迎えた2023年、基本的なデザインコードを前作から踏襲しつつ、外装からムーブメントまで全面的なアップデートを施した新たなデイトナが登場。しばしば“最新が最高”と言われるロレックスらしい、熟成した姿を見せたのだ。
「コスモグラフ デイトナ」の種類
2023年にリニューアルを遂げた現行のデイトナを基に、その種類を紹介していこう。デイトナには、ケース素材からダイアルデザイン、ブレスレットの仕様まで、多くのバリエーションが存在する。3つのインダイアルを備えたスポーティーなクロノグラフというベースを共有しながらも、それぞれに個性の宿った豊富なラインナップは、デイトナの魅力のひとつでもある。
SSモデル
耐蝕性に優れた904Lスティール製ケースを採用したモデル。ブラックまたはホワイトダイアルに赤字の“DAYTONA”がアクセントを添える。ダイアルに立体感をもたらしているのは、文字盤と反転するようなカラーを備えたインダイアルだ。全体を引き締めるブラックのセラクロム製ベゼルにはタキメータースケールが刻まれ、レーシングクロノグラフとしての出自を物語る。プッシャーにはスクリュー式のロックが備わっており、高い防水性を確保するとともに、誤作動を防いでいる。
ムーブメントは、自社製の自動巻きクロノグラフであるCal.4131を搭載。耐磁性に優れたブルー パラクロム・ヘアスプリングや耐衝撃性を高めるパラフレックス ショック・アブソーバを備え、日差-2秒から+2秒の高精度を誇る。

オイスタースチールを採用した現行のデイトナ。ブラックが精悍な印象をもたらす1本だ。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm)。100m防水。
ロレゾールモデル
堅牢性とラグジュアリー感を両立させるロレゾール。ベゼルやリュウズ、プッシャーなどに18Kゴールドを採用している。ダイアルは、ブラック、ゴールド、ホワイト、ブライトブラックのバリエーションが存在し、ブライトブラックダイアルには、ダイヤモンドインデックスがセットされている。
今回紹介するブラックダイアルは、インダイアルにゴールドカラーのリングを配することで、ケースと調和したカラーリングに仕上げている。12時位置に輝くオイスターマークや砲弾型のインデックス、針は、ロレックスの他のモデルと同様に18Kゴールド製だ。
中央に18Kゴールドのリンクを組み合わせたブレスレットは、3連仕様のオイスターブレスレットだ。不意な脱落を防ぐダブルロックのバックルを採用し、約5mmの微調整を可能とするイージーリンクが備わっている。

1933年に正式に商標登録された“ロレゾール”。オイスタースチールの堅牢性とゴールドの気品を兼ね備えた、ロレックスを象徴するカラーリングが魅力。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS×18KYGケース(直径40mm)。100m防水。
18KYGモデル
18Kイエローゴールド製ケースをまとった、気品あふれるモデル。ブラックのセラクロム製ベゼルには、PVD加工によって実現したプラチナの薄膜でコーティングされたタキメータースケールが配されている。掲載モデルは2025年に発表された、ラッカーによるターコイズブルーが特徴的な1本だ。スネイル仕上げが施されたブラックの3つのインダイアルが、文字盤に奥行きを与えている。
ベルトは、メタルブレードをエラストマーでコーティングした、オイスターフレックスブレスレットを採用。しなやかな装着感をかなえてくれる。ダブルロック仕様のバックルには、微調整を可能とするグライドロック エクステンションシステムが搭載されている。
オイスターフレックスブレスレット仕様のRef.126518LNの他、18Kイエローゴールド製のオイスターブレスレットを装着したRef.126508も存在する。ベゼルやインデックスにダイヤモンドをセットしたモデルなど、より煌びやかなニーズに応えるラインナップも用意されている。

爽やかなターコイズブルーのダイアルと18Kイエローゴールド製ケースを組み合わせた魅惑のモデル。オイスターフレックスブレスレットが、スポーティーな印象をもたらす。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KYGケース(直径40mm)。100m防水。
18Kエバーローズゴールドモデル
18Kエバーローズゴールドは、2005年に開発されたロレックス独自のゴールド合金だ。Ref.126505では、ケースとブレスレットの全体に18Kエバーローズゴールドを採用。変色しにくく柔らかな色味は、18Kイエローゴールドとは一味違った上品さを見せる。
ここで紹介するのは、チョコレートダイアルにブラックのインダイアルを組み合わせたモデルだ。ケースと調和するダイアルのカラーなど、統一感のあるデザインとなっている。
本作の他、ブライトブラックダイアルやメテオライトダイアル、ベゼルやラグ、インデックスにダイヤモンドをあしらったモデルも存在する。セラクロムベゼルとオイスターフレックスブレスレットを装着したモデルは、Ref.126515LNとしてラインナップされる。

ロレックス独自のゴールド合金である18Kエバーローズゴールド製のケースを採用したモデル。豊富なダイアルバリエーションが存在することも魅力だ。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kエバーローズゴールドケース(直径40mm)。100m防水。
18KWGモデル
18KホワイトゴールドケースをまとったRef.126589RBR。ベゼルに36個、インデックスに8個の煌びやかなダイヤモンドがセットされた、高貴な雰囲気が漂うモデルだ。虹色に輝くダイアルはマザー・オブ・パール製。全体をホワイト、インダイアルをブラックとすることでメリハリを利かせている。
18Kホワイトゴールドモデルにも、多くのバリエーションが存在する。ブラックのセラクロムベゼルを装着したモデルは、一見してステンレススティールケースモデルのようにも見えるが、オイスターフレックスブレスレットや個性的なダイアルで差別化することが可能だ。オイスターブレスレット仕様のモデルはRef.126509。また、双方のブレスレットには互換性がない。

マザー・オブ・パールダイアルとダイヤモンドベゼルを組み合わせた、華やかさの際立ったモデル。オイスターフレックスブレスレットが仄かにスポーティーさを演出する。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KWGケース(直径40mm)。100m防水。
プラチナモデル
ロレックスが「最も崇高な金属」と呼ぶプラチナを使用したモデル。ダイアルを爽やかに彩るアイスブルーは、同社がプラチナケースモデルにしか採用しない特別なカラーである。インダイアルのリングとセラクロムベゼルに用いられたチェスナットブラウンが、見た目を軽やかに仕上げている。
また、デイトナではプラチナケースモデルのみがシースルーバックを採用していることも抑えておきたい。内部に搭載されたCal.4131のローターやレバーの動き、ストライプ装飾が施されたブリッジなど、その隅々までをたっぷりと鑑賞することが可能だ。
インデックスにバゲットカットダイヤモンドをセットしたバリエーションもラインナップされる。より華やかなモデルが好みの場合は、こちらを選択すると良いだろう。

アイスブルーダイアルが眩しいプラチナケースモデル。シースルーバックからは、ムーブメントを鑑賞することが可能だ。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ptケース(直径40mm)。100m防水。