ヴァン クリーフ＆アーペルが紡ぎ出す 「時を知らせる庭園」の超絶技法

流星とオルゴールが奏でるオンデマンドアニメーション

　太陽を中心とした天空儀を飾るのは、水星、金星、地球、火星、木星、土星の6つの星だ。それぞれの惑星は、最も公転周期の小さな水星で88日、土星では29.5年をかけて正確に動く。さらに地球の衛星である月も設けられており、これも正確に29.5日で地球を一周する。それぞれ星には精緻な宝飾技法の粋が凝らされており、ひとつひとつがハイジュエリーとしての顔を持っている。

　この天空儀の最も驚くべき点は、パーペチュアルカレンダーと連動するアニメーション機構だ。オンデマンドアニメーションを作動させると、オルゴールの音色を奏でながら、ダイアル外周部の小窓から流星が飛び出してくる。この流星はダイアルを一周してから、時刻を表示する1点に止まり、また小窓の中へと消えてゆく。その間、正確な公転周期を刻んでいた6つの惑星も、パーペチュアルカレンダーの制御から離れて、ランダムに踊り出すのだ（もちろんアニメーションの終了後は、正確な公転軌道へと復帰する）。ヴァン クリーフ＆アーペルが創造した時計芸術の極地。

　しかしここに紹介したのは、そのほんの一部である。さらに詳しいレポートは、6月3日に発売予定の本誌『クロノス日本版』に掲載する予定だ。