GMT機構 第2回「GMTウォッチ Part.1」

FEATURE時計機構論
2017.04.21

 ここで、センターに12時間表示のメイン時針と24時間表示のGMT時針の2本を置くタイプの典型的なパターンをざっと分類整理してみることにする。

■24時間目盛り:GMT機能によるホームタイム表示
 a) 回転ベゼル
 b) 固定ベゼル
 c) ダイアル

■メイン時針の移動
 a) リュウズによる通常の針回し
 b) リュウズもしくはプッシュボタンにより1時間単位の単独移動が可能

■GMT時針の移動
 a) メイン時針の時差修正を行った際に調整が必要
 b) メイン時針自体で時差修正する場合は不要


 歴史的なモデルも現行品も、GMTウォッチは、おおよそこのような項目を組み合わせたモデルである。2本の時針のうち、GMT時針も12時間周期で動くという変わったケースもある。この場合は2つ表示される時刻どちらがローカルタイムでどちらがホームタイムなのか区別しづらくなるから、午前と午後の別がわかるデイ/ナイト表示を追加する場合もある。

 グローバル時代の実用複雑機能として注目されるGMT機構は、ここまで述べてきたロレックスからインスパイアされたタイプの他に、多種多様なバリエーションが存在する。次回はそれらにスポットを当て、それらの独創性や実用性についてさらに考察する。