シチズン ブランド初のトゥールビヨンは2本のみの超限定生産品

2017.05.31

「シチズン トゥールビヨン Y01」。手巻き(Cal.M001-Y01)。19石。2万1600振動/時。約100時間のパワーリザーブ。18KWG(直径42㎜、厚さ12.2㎜)。1000万円(税別)。2本の限定生産品

 シチズン時計から待望のニュースが届いた。シチズン ブランドとして初となるトゥールビヨン搭載モデル「シチズン トゥールビヨン Y01」が発表されたのだ。発売は今年の6月。わずか2本のみの限定生産品となる。

 大丸が2017年に創業300年を迎えるにあたり、大丸松坂屋百貨店からシチズンに「時間の美しさを振り返り、時間や歴史が育んできた価値を新しい価値として再創造したい。それによって、従来の顧客や来るべき新規顧客に向けて強いメッセージを発信したい」という要望とともに300周年記念モデルの開発をシチズンに依頼してきたのがことの発端だった。それは、2018年で創業100年を迎えるシチズンにも共通するメッセージだった。彼らは時計の原点たる「機械式」に着目。より長い愛用に耐えうる最高級の逸品としてトゥールビヨンの開発が決まった。

 ベースとなったのは2014年にシチズンの開発技術者が設計、組み立てを行ったトゥールビヨン採用の手巻きムーブメント。このベースムーブメントをもとに、主要なパーツの強度を高めるために丹念な磨き込みがなされ(そのために専用のジグさえ製作された。これがマニュクチュールたる所以だ)、キャリッジには軽量なチタン合金が採用された。パワーリザーブも約100時間を確保し、実用に耐え得る工芸品となった。

 デザインはモノトーンの静かな佇まい。ホワイトのエナメル文字盤に、ブラックのサークルが実にクールな表情を醸している。なお、ケースバックごしに堪能できるムーブメントのブリッジに縦方向にコート・ド・ジュネーブが入る。これは、木々が浴びる「喜雨」を表現し、浮世絵のような水辺の情景をイメージしたという。
 シチズンだけにしか表現し得ない〝DESIGNED & MANUFACTURED IN TOKYO〟の複雑時計。2本だけの製造とはいささかもったいないと思うのは、私たちだけではないだろう。


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