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第6回「手巻きを選ぶのか、自動巻きを選ぶのか?」(1/3)

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懐中時計用の手巻きムーブメント。基本設計を1930年代にさかのぼる古典中の古典である。なおこれは、出車を加えてセンターセコンドに改良したクロノスイスのCal.C672。他にもスワンネック緩急針など、愛好家好みのディテールが加えられている。
広田雅将(クロノス日本版):文
Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)

手巻きを選ぶのか、自動巻きを選ぶのか?

機械式時計にはふたつの種類がある。ゼンマイを手で巻き上げる手巻きと、ムーブメントに内蔵した回転錘(ローターという)でゼンマイを巻き上げる自動巻きだ。現在売れている時計は自動巻きである。しかし手巻き時計にも、趣味性以外のメリットがある。自動巻き、手巻きのメリットとデメリットは以下の通り。

●手巻き

ムーブメントを薄くできる。趣味性が高い。ショックに強い

×自分でゼンマイを巻かないと止まる。理論上、自動巻きに比べて正確でない

 ゼンマイを巻き上げるローターを持たない手巻きムーブメントは、ムーブメントを薄くしやすい。そのため、薄い機械式時計の多くが、手巻きムーブメントを採用する。またムーブメントを覆うローターがないため、機械が見えやすい。ムーブメントの愛好家たちが見栄えのいい手巻きムーブメントを好む一因だ。また重いローターがないためショックに強い。

 デメリットは、自動的にゼンマイを巻き上げるローターを持たないため、自分で巻かないと止まること。またゼンマイがほどけるにつれて精度が狂いやすくなるため、理論上は、自動巻きほど正確ではない。理想をいえば、ゼンマイは一日に一回巻き上げるべきで、その際は、ギリギリまで巻き上げずに、少し余力を残しておくと機械が傷みにくく、精度も高まる。ゼンマイの残量を示すパワーリザーブ付きのムーブメントならば、難しくないだろう。

 なお、ゼンマイがほどけて止まりやすい手巻き時計には、基本的に日付表示が付かない。例外はあるが、日付表示を持つ機械式時計は自動巻きと考えていいだろう。仮に手巻きで日付付きの時計があるならば、それはデザインを優先したか、またはゼンマイの駆動時間が長い場合である。筆者の私見を言うと、手巻きで日付表示付きの時計は、最低3日間(72時間以上)のパワーリザーブを持つべきである。

●自動巻き

腕に着けている限りはゼンマイが巻き上がる。手巻きに比べて正確である

×ムーブメントが厚くなる。趣味性は必ずしも高くない。設計の悪い自動巻きはショックに弱い

 自動巻きのメリットとデメリットは、手巻きと真逆だ。腕に着けている限りゼンマイが巻き上がるため、時計が止まりにくい。またゼンマイが常に巻き上がった状態にあるため、時計も狂いにくい。反面時計は厚くなるほか、ムーブメントの見栄えも手巻きほど良くない。また自動巻き機構が摩耗しやすい上、部品点数が多いため、修理代が高く付くこともある。

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