【83点】パネライ/ルミノール サブマーシブル 1950 3デイズ クロノ フライバック オートマティック チタニオ-47mm

FEATUREスペックテスト
2016.04.03

自社製キャリバーP.9100はフライバッククロノグラフ、フリースプラングテンプ、そして、ロングパワーリザーブを備えている。

精度
 だが、喜ばしいことに、時刻の同期はあまり頻繁に行う必要がない。歩度測定機で測定した結果、ルミノール サブマーシブル 1950 3デイズ クロノ フライバック オートマティック チタニオ‐47㎜は平常時で平均プラス1・8秒/日、クロノグラフ作動時はさらに優秀で平均プラス1秒/日という、納得の精度を見せてくれたからである。残念ながら、最大姿勢差はいずれも9秒と、かなり大きかったが、クロノグラフ作動時のテンプの振り角は、感動的と言えるほど安定していた。平常時に比べ、振り落ちは10度にも満たないのだ。クロノグラフ機構がいかに少ないエネルギーで作動しているか物語る数値である。
 価格はどうだろうか。ルミノール サブマーシブル 1950 3デイズ クロノ フライバック オートマティック チタニオ‐47㎜は199万円と、パネライの時計の中でも高価格帯に属するモデルである。だが、自社製クロノグラフキャリバーP.9100が搭載されていることを考慮すれば、価格設定は正当と言えるだろう。なぜなら、サブマーシブルのクロノグラフ非搭載モデル(PAM00389)でも128万円するからである。セラミックス製ベゼルが装備されていることも、価格を押し上げるひとつの要素である。ちなみに、セラミックス製ベゼルではないタイプは180万円である(PAM00614、12時間積算計の位置に日付表示)。自社製クロノグラフムーブメントを搭載したダイバーズウォッチでも、他のブランドからはもう少し安価で提供されている。例えば、オメガのシーマスター プラネット オーシャン クロノグラフは半額以下だし、IWCの自社製ムーブメントを搭載したアクアタイマーも格段に安い。ブランパンのフィフティ ファゾムス バチスカーフ クロノグラフのセラミックス製ケースのモデルでも、パネライよりも安価である。それを考えると、パネライのコストパフォーマンスは納得できるぎりぎりのラインと言ったところだろうか。
 高額であり、トランスパレントバックではないことが、批判的にならざるを得ないポイントだが、これらの点を除けば、デザインにおいても、加工においても、また、装着感や潜水への適合性についても、説得力のある仕上がりである。プラスアルファを支払っても困らない時計愛好家なら、ルミノール サブマーシブル 1950 3デイズ クロノ フライバック オートマティック チタニオ‐47㎜を手に入れれば、スタイリッシュな時計だけでなく、ダイビング時の心強い相棒を得ることができるのだ。