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【74点】ティソ/ラグジュアリー オートマティック(1/4) 2013年07月号(No.47)

TISSOT LUXURY AUTOMATIC

約80時間のロングパワーリザーブを誇る長距離ランナーがデビューした。完走に必要な整った呼吸とフォームはどう維持されるのだろうか。

ユリア・クナオト:文 Text by Julia Knaut
OK-PHOTOGRAPHY:写真 Photographs by OK-PHOTOGRAPHY
市川章子:翻訳 Translation by Akiko Ichikawa

 
point
・価格がリーズナブル
・新開発ムーブメントを搭載

point
・デザインの全体像が統合性に欠ける
・公称パワーリザーブを悠々クリアしてはいない
 

淡々と走る長距離ランナー

ィソから発表された「ラグジュアリー オートマティック」は、意表をつく存在だ。普通はラグジュアリーという言葉を聞くと、まばゆいばかりのダイヤモンドと燦然たるゴールドを連想するものだろう。だが、この新作はその予想をあっさりと裏切ってくる。というのも、外観には〝いかにも〟な贅沢さがないのだ。ラグジュアリーというよりはむしろその反対で、さまざまな要素を削ぎ落としてまとめ上げた文字盤と、鏡面とサテン仕上げで整えたステンレススティールのケースは、相当シンプルに感じられる。しかし、ひとたび時計を裏返してガラスの下の緻密な光景を見ると、なぜこの名前が付けられたのかが分かってくるだろう。ケース内に息づいているのは、新型のETA自動巻きキャリバーだ。メーカーによると、パワーリザーブは極めて長く、最長約80時間を誇る。この時計は、理論上は丸3日間経ってさらに8時間経過するまでは、止まるのを気にせずのびのびと使用できるということになる。実際は、その時その時の着用時間の長さにより、ムーブメントが息づく時間は短くも長くもなるが、長時間着用するうちに、止まった状態から初めて使い出した時よりパワーリザーブが延びていくはずだ。

ロングパワーリザーブであるということは、使用するにあたってそれだけでも気が楽だが、この時計はステンレススティールを使用した正統派のレトロデザインであることも、リラックス感をもたらしている。フラットな両面無反射加工のサファイアクリスタル風防の下には、ほっそりとした3本の針とマットなシルバーカラーの文字盤が佇む。細やかな楔型インデックスを配し、3時位置に置かれた窓枠付きの日付表示がメリハリを付けている。文字盤を構成する各要素は、それぞれ異なるディテールが美しい。外周寄りのトラックはサテン仕上げ、そのリングを掴む、面取りした楔型インデックスは鏡面に磨かれている。ケースを見ると、鏡面のベゼルのなめらかさに対して、側面に施されているのは籠を編んだような立体感。ディテールへの愛は、ラグにも表れている。サテン仕上げなのだが、面取りした部分は鏡面に磨かれているのだ。サテンと鏡面の対比は、ブレスレットにも見られる。サテン仕上げのコマの列に挟まれるように据えられた、中心列の極細のコマは、鏡面仕上げの光沢が引き立つ。

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