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【90点】ロレックス/オイスター パーペチュアル デイトジャストⅡ(1/4) 2013年07月号(No.47)

ROLEX OYSTER PERPETUAL DATEJUST Ⅱ

デイトジャストⅡは、これまで多くのユーザーが小さいとしてきたケース径36㎜のデイトジャストをはるかに凌駕するモデルである。ロレックスのメンズウォッチとしては、デイト表示以外の付加機能を持たないベーシックなモデルだが、完璧な時計に限りなく近い。

イェンス ・ コッホ : 文 Text by Jens Koch
ニック・シェルツェル: 写真 Photographs by Nik Schölzel
岡本美枝 : 翻訳 Translation by Yoshie Okamoto


point
・極めて良質な加工
・秀逸なマニュファクチュールムーブメント
・エクステンションリンクを内蔵したブレスレット

point
・針とリュウズが小さく見える
・時計を傾けると日付が見えなくなる

偉大なる完成度

璧な時計とは、どのようなものだろうか。自動巻き機構、3針、デイト表示を搭載し、精度が高く、丈夫であること、それに、防水性を備えていること。実際、これ以上の要素は必要ないだろう。ゆえに、それらの特性を備えた腕時計が大成功を収めたのも不思議ではない。その時計が生まれたのは1945年のことであり、直後には〝デイトジャスト〟と命名されることになる。完璧さとは、一朝一夕に獲得できないのが世の常だが、ロレックスも例外ではなかった。1926年に初の防水腕時計、オイスターを発表し、1931年にはこれに自動巻きムーブメントを搭載することで、初の自動巻き防水腕時計、オイスター パーペチュアルが誕生する。その後、オイスター パーペチュアル デイトジャストへと進化を遂げ、防水性、自動巻き、クロノメーターの精度、デイト表示を備えた完璧なデイリーウォッチが登場したのである。

デイトジャストは当初、ゴールドモデルのみの生産だったが、1940年代終盤になると、スティールモデルも供給されるようになった。発表後の数年間でデザインにも少し変化が見られ、1953年にはロレックス独自のサイクロップレンズが追加された。技術開発においても歩みを止めないのがロレックスの伝統だが、内部機構もさらなる進化を遂げ、1977年になると、日付早送り機構のほか、赤いアルマイト処理を施し、摩擦を抑える効果のあるアルミニウム製のリバーサー(切り替え車)を備えたキャリバー3035がデイトジャストに与えられることとなった。1988年には、ローター回りが改良され、両持ちのバランスブリッジを搭載した後継機、キャリバー3135がこれに続く。だが、ケース径は初代モデルの36㎜のままで、そのほかには31㎜と26㎜の、より小さなモデルしかなかった。以前は、男性でもケース径31㎜の時計を身に着けることが多かったが、近年では36㎜のモデルでさえ、どちらかと言えばレディースモデルとみなされるようになっている。だが、ロレックスは、世にある時計ブランドの中で最も保守的なウォッチメーカーという世評に対して、理由もなく機先を制することはせず、長い間、デイトジャストの大型化を拒んできた。愛好家がサブマリーナーやGMTマスターⅡといった40㎜のスポーツモデルを選んでいたのも、主にこのことが理由だった。2009年、ロレックスはようやく、ケース径を41㎜にサイズアップしたデイトジャストⅡをリリースする。まずは、フルーテッドベゼルを備えたステンレススティールとゴールドのロレゾール(コンビモデル)が発表され、2012年には、ステンレススティールのスムースベゼル搭載モデルもラインナップされた。

もちろん、デイトジャストが収めたような大成功は、優れた技術的特徴だけで獲得できるものではない。他のブランドが技術面でロレックスに追随してすでに久しく、今日ではロレックスに比肩するモデルを提供するブランドも存在する。つまり、デザインこそ、購買意欲を刺激する最も大きな材料と言えるだろう。ロレックスはデイトジャストにおいて、エレガンスとスポーティー性の完璧な融合を実現した。その結果、スーツにもジーンズにも合わせられる時計が誕生したのだ。デイトジャストのモデルは実に多様で、フルーテッドベゼルやスムースベゼル、繊細なジュビリーブレスレットやスポーティーなオイスターブレスレットのほか、ケースもゴールド、ロレゾール、ステンレススティール製と、多彩である。文字盤もさまざまなダイアルカラーが提供されているだけでなく、バーインデックス、ローマンインデックス、アラビックインデックス、ダイヤモンドインデックスなど、豊富なバリエーションが用意されている。

今回のテストウォッチは、小型のデイトジャストに比べてバーインデックスの幅がかなり広く、夜光塗料の塗布面積も大きくなっており、全体的によりスポーティーな印象に仕上がっている。逆に、針はインデックスよりもずっとスリムで、夜光塗料の量も少ない。そればかりか、やや短すぎる感がある。36㎜のデイトジャストでもそうだが、時針がアワーマーカーに届いていない。また、ケースのプロポーションにも変化が生じている。ベゼルの幅が広くなったため、リュウズが小さく見えるのだ。とはいえ、文字盤には繊細なサンレイ仕上げが施され、全体的に美しい時計である。

幅の広いスムースベゼルは、デザインの上では決してデメリットではないが、全体的にポリッシュ仕上げされたケースと同様に、傷や指紋が付くと目立ちやすい。また、ロレックス特有のサイクロップレンズも好みの分かれるところだろう。日付を2・5倍に拡大してくれるのはありがたいのだが、サイクロップレンズがあるために、日付は正面からしか読み取ることができず、時計を傾けると見えなくなってしまう。この点を除けば、視認性は良好で、ホワイトゴールドの針とシルバー文字盤とのコントラストは良好とは言えないものの、相性は素晴らしい。暗所ではインデックスと針が明るく発光する。

リュウズは、見た目以上に操作しやすい。ねじ込み式リュウズは簡単に緩めることができ、デイト表示には早送り機能が装備されている。ストップセコンド機能が搭載されていることから、時刻合わせのためにリュウズを引き出すと秒針が止まり、時刻を正確に設定することが可能で、ねじ込み式のトゥインロックリュウズを備え、100mの防水性を誇る。

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