【82点】ピアジェ/ピアジェ ポロ FORTYFIVE

FEATUREスペックテスト
2009.11.29

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特別なハイライト。バックルはクラスプで心持ち延長することができる。

45mmという直径を与えられた新世代ポロは、今日のトレンドにも対応している

パワーリザーブはツインバレルによって約72時間まで確保されている。2万1600振動/時のチラネジ付きテンプは、大部分がブリッジによって隠れてしまっているのが残念だ。クラシカルな振動数だが、秒針が覚束ない様子で進むのは、スポーツウォッチのダイナミズムにはマッチしていない。2006年にリリースされた自動巻きキャリバーは、ピアジェが製作するキャリバーの中で最も新しいラインに属しているが、ここからはすでに数多くの派生キャリバーが生まれている。現在、ピアジェ ポロFORTY FIVEのクロノグラフモデルには、880Pシリーズが搭載されているが、振動数は2万8800振動/時で、800Pよりもハイビートだ。
精度に関しては、残念ながら最高とはいい難かった。ウルムのケルナー時計宝飾店で行った歩度測定器によるテストでは、振り角は安定していたが、マイナス2秒/日からプラス10秒/日までの日差が確認された。着用テストでは、計算上の平均日差がほぼプラス5秒/日だった。

ピアジェは、ドイツでも抜群の知名度の高さを誇っているものの、メンズウォッチに関しては、フレンスブルクからガルミッシュ・パルテンキルヒェンまで(訳注:ドイツ最北端の街と最南端の街。ドイツ中の意)苦戦しているのがこれまでの実情だった。だが最近では、首尾一貫したモデル戦略、数多く発表される新型キャリバー、そしてデザインの好ましいリニューアルなどによって、ピアジェは男性の時計愛好家からも注目を浴びるようになってきた。それでもやはり、三針のピアジェ ポロFORTYFIVEで141万7500円という価格は、購入を視野に入れた場合に考え込む要因になりそうだ。"三針時計""ラグジュアリー""スポーティ""マニュファクチュール"という共通要素によって、すでに述べたロイヤルオークやノーチラスの他、ブランパンのフィフティ ファゾムスや、グラスヒュッテ・オリジナルのスポーツエボリューションなどもポロのライバルである。こうした環境下では、ポロは中間の価格帯に属するモデルだ。客観的に観察すれば、ポロは加工精度が高く、素晴らしい造形美と立派なムーブメントを備えた時計である。有名メゾン以外で選択肢を探している愛好家にとってなら、掘り出し物ではないだろうか。こうしたことから、次のように結論づけてみた。この時計の名付け親であるスポーツ、ポロも、ここしばらくは一般とは無縁の競技に留まるだろうと。

■スペック

製造者:ピアジェ
Ref.:GOA 34010
機能:時、分、秒(ストップセコンド仕様)、日付
ムーブメント:自社製自動巻きキャリバー800P、2万1600振動/時、25石、耐震装置(KIF使用)、平ヒゲ、チラネジ付きテンプ、ツインバレル、パワーリザーブ約72時間、サーキュラー仕上げのブリッジ、ペルラージュ仕上げの地板、ブルースクリュー、直径26.8mm、厚さ4mm
ケース:チタニウム(グレード5使用)、リブ型SS製インサート付き、サファイアクリスタル、6箇所ネジ留め式サファイアケースバック、チタニウムとラバーのねじ込み式リュウズ、10気圧防水
ストラップとバックル:SSエレメント付きラバーストラップおよびエクステンション内蔵SS製トリプルフォールディングバックル
サイズ:直径45mm、厚さ10.8mm、総重量110g
バリエーション:黒文字盤
価格:141万7500円
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。

精度安定試験 (日差 秒/日、振り角)
文字盤上:+6
文字盤下:+5
3時上:+10
3時下:-2
3時左:+4
3時右:+8
最大日差:12
平均日差:+5.2
平均振り角:
水平姿勢:273°
垂直姿勢:261°