【89点】ロレックス シードゥエラー4000

FEATUREスペックテスト
2006.03.03

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バックルの止め具は、非常に機能的な構造を持っている。しかしながら、高級感という意味ではやや物足りない。

ブレスレットのさらなる進化に期待

 それではシードゥエラーはダイバーズウォッチとして完璧といいきれるかというと、より良く成長したこのモデルにも少々の批判点はある。まず、風防のサファイアクリスタルガラスが厚い。フラットに埋め込まれた時計と比べると高さが出ているため、サイドからの衝撃があった場合は危険度が増してしまう。

 さらに、テストウォッチではベゼルが非常に堅かった。外観面については、ブレスレットのロック式留め具が全体とのバランスを乱しているのが惜しい。より確実ではあるし、ロックされている状態がひと目で分かるのはいいのだが、高級感という観点からすると、やや残念だ。ロレックスは6年前からデイトナに、全面均一にフライス加工されたオイスターのロック式ブレスレットを使用している。それを考えると、シードゥエラーのブレスレットもさらなる向上は可能であろう。次なる進化はそこに表れるのかもしれない。

機能性とデザイン性の高さはロングランモデルの実力

 ところで、シードゥエラーは街で着るスーツと海で着るウェットスーツのどちらが本当に似合うのだろうか? 気になる疑問だがこれは愚問であろう。なぜならば、水陸両用のこのモデルは街中でも海中でもよく映える。細かいことをいうと、ブレスレットの留め具部分だけはビシッとキメたジェントルマンには合わないかもしれない。中身の価値の高さについては自社開発の機構が証明済みだ。現行の数多くのダイバーズウォッチにはクラシカルな正統派タイプもモダンな現代的タイプもあるが、そのあたりは好みの問題となってくる。

 新型シードゥエラーは、機能性とデザイン性の高さでは、やはりロングランモデルらしい実力が表れている。しかし現在、それぞれの個性を打ち出すことにしのぎを削っている他のブランドが、今後どういう切り札で勝負に出てくるか、予想はつかないのが現状だ。ダイバーズウォッチをめぐるポーカーゲームは、まさに水面下で続いているのである。

スペック

製造者:
ロレックス、Geneve / Switzerland

Ref.:
16600

機能:
時、分、秒(センター式、ストップセコンド)、日付表示(クイックチェンジ式)

ムーブメント:
Cal.3135(自動巻き)、直径28.50mm、厚さ6.00mm、振動数2万8800/時、テンプ受け、耐震軸受(キフ使用)、ブレゲヒゲゼンマイ、マイクロステラスクリュー式歩度調整システム、31石、総パーツ225個、パワーリザーブ約55時間、公式クロノメーター(COSC認定)

ケース:
ステンレススチールケース、ねじ込み式リュウズ、サファイアガラス風防、シースルーバック(ねじ込み式。サファイアガラス使用)、片方向回転ベゼル、ヘリウムガス排出バルブ、122気圧防水

ストラップと尾錠:
共にステンレススチール製。ブレスレットのエンドピースはインターチェンジャブル式。バックルはロック可能。

精度テスト結果

(日差 秒/24時間、振り角)
文字盤上  +5
文字盤下 +5
3時上  +4
3時下  +4
3時左 +6
3時右 +1
最大日差 5
中間日差 +4.2
中間振り角:
水平姿勢 290゜
垂直姿勢 262゜

サイズ:
直径40.00mm、厚さ15.00mm、総重量143g

価格&問い合わせ

52万5000円
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事の抜粋です。