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2010年2月 4日

FRANCK MULLER/オールド・フランクの風情さえ醸す、偶然が生んだショップリミテッド

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トミヤが企画したリミテッドモデルには、
ある偶然から「クレイジー・アワーズ」が選ばれた。
しかし、フランク・ミュラー側からの逆提案により
その仕上がりは同店の予想を超えるものとなった。

アンティークショップを散策していると、稀に創業当時のフランク・ミュラーの作品に出会うことがある。ここに紹介するモデルも、そうしたオールド・フランクのひとつに見えるかもしれない。手頃な5850サイズのトノウ・カーベックスは、少しだけ金色の度が強い5Nのピンクゴールド。細身のビザン数字が配されたホワイトの文字盤には、初期のコンプリケーションを思わせるマットフィニッシュが施され、青焼きされたスペードシェイプの針は、分針の先端が文字盤に沿うように、丁寧に曲げられている。黒に限りなく近い濃紺のビザン数字は、マットフィニッシュの文字盤にプリントされた関係で、輪郭が少し滲んで見え、それがかえってオールド風の印象を強くしているように思える。ビザン数字の不規則な配列に気付いて、ようやくこのモデルが「クレイジー・アワーズ」だと知れるほどだ。

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ボックスはワインダー付きのオービタ製。これは、納品されるまでショップ側も知らなかったというフランク・ミュラー側からのサプライズだ。バックケースが湾曲しているため、通常トノウ・カーベックスには施されないシースルー加工に加え、ムーブメント自体もエングレービングされている。

 

20本のみ製作されるこのモデルは、昨年7月7日に77周年を迎えた、岡山のトミヤのために作られたもの。それがなぜクレイジー・アワーズなのかは、機構的な「ある偶然」に起因する。クレイジー・アワーズは、150度に設定されたジャンピングアワーの制御カムによって、通常のインデックス配置での5時間分を一気に運針させる機構。この法則に則ってインデックスを配置してゆくと、10、3、8時が一列に並ぶ。これがたまたま、屋号を示すアナグラムになっていることに気付いた同店は、すぐさま別注を依頼したという。しかも冒頭に述べたディテールの数々は、フランク・ミュラー側からの逆提案もあって実現したというから驚く。ジャンピングアワーの表示を、さらに30度ずらして、10、3、8時をダイアルトップに配置することも逆提案され、ノーマルモデル(1、4、7、10時のみ正位置)にはない、「フル・クレイジー」のインデックス配置まで実現されている。

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フランク・ミュラー
クレイジー・アワーズ
トミヤ77周年限定モデル

フランク・ミュラー創業初期の作風を思わせるクレイジー・アワーズ。インデックス配置のアナグラムに気付かなければ、ショップリミテッドであることを主張するような無粋な仕掛けは一切見られない。自動巻き。18KPG(縦45×横32mm)。294万円。世界限定20本。
問フランク・ミュラーbyトミヤ tel. 086-234-1038

 

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