ヨットやレガッタに関連した時計(後編)

FEATUREWatchTime
2018.12.12
多くの時計ブランドが、セーリングチームや関連イベントのスポンサーとなっている。中には、カウントダウン機能のいくつかを取り込んだ形で、ヨットレースや水中でのアクティビティに特化したタイムピースを開発するブランドまである。ここではヨットやレガッタに関連したモデルを挙げ、どういうところが海上で使用するのに最適なのかという部分を明らかにしていきたい。後編をお届けする。
●「ヨットやレガッタに関連した時計」前編を見る
Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

アルピナ「セーリング・ヨットタイマー・カウントダウン」

アルピナ「セーリング・ヨットタイマー・カウントダウン」。自動巻き(Cal.AL-880)。SS(直径44mm)。30m防水。ラバーストラップ。

 船を所有する人すべてが億万長者というわけではない。アルピナのヨット用の時計は、購入に予算が少し限られているという人にとっても最適であろう。入手しやすい価格帯でありながら、この時計を使えば、ヨット航海に役立つ優れた機能を手に入れられるのだ。10から1へとカウントを行うムービング・カウントダウンと名付けられた機構を駆動させると、航海へのスタート時間を告げる赤い「スタート」の表示が、だんだんと表れてくる。時計のケースは44mm径のステンレススティール製で、トランスパレントバックからは自社製キャリバーAL-880を見ることができる。


ペルレ「タービン ヨット」

ペルレ「タービン ヨット」。自動巻き(Cal.P331)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。ブロンズPVDコーティングSS(直径47mm)。30気圧防水。ラバーストラップ。㉄ムラキ ℡03-3273-0321

 2014年発表のペルレ「タービン ヨット」は、ペルレの旗艦モデルの仲間入りを果たしたタービンコレクションの新しいコンプリケーションモデルで、文字盤側のタービンスタイルのローターにヨットの世界観から着想を得た、方角を示すウインドローズ(風配図)機構を融合させ、これによって船を操るときに所定の位置と太陽の現在地を確認することができるようになっている。ペルレのタービン ヨットのケースは丈夫な47mm径で、ステンレススティール製とブラックまたはブロンズカラーのPVD加工バージョンがある。文字盤側のタービンローターはチタン製で、潜水艦のプロペラを思わせる形状の11枚のブレードによって構成され、ヨットのチーク材のデッキのような並行して走るライン上を回転する。ウィキペディアによるとウインドローズとは「気象学者が使用する図形で、特定の場所における風向きと風速を表すのに用いられる」とあり、ここでは文字盤を取り巻く両方向回転リングに搭載されている。


ユリス・ナルダン「マリーン・レガッタ・クロノグラフ」

ユリス・ナルダン「マリーン・レガッタ・クロノグラフ」。自動巻き(Cal.UN-155)。72石。2万8800振動。パワーリザーブ約3日間。SS(直径44mm)。100m防水。ラバーストラップ。㉄ソーウインド ジャパン ℡03-5211-1791

 ユリス・ナルダンは、ブランドがスポンサーとなっているスウェーデンの「アルテミス・レーシングチーム」のロイック・ペイロンとイアン・パーシーというふたりのプロのヨットマンと関わりがあり、その協力を得て2017年のSIHHで「マリーン」レガッタ・クロノグラフ」を発表している。この時計はレガッタ機能を持つクロノグラフカウンターを備えており、1分〜10分にセットしてカウントダウンを行うことが可能となっている。ヨットの公式戦は5分、7分、10分のカウントダウン終了後にレースをスタートさせる。この間にそれぞれのチームはスタートラインにできるだけ近い位置にヨットを待機させ、かつスタートラインを超えてペナルティを受けないようにする。ムーブメントは、自社製自動巻きクロノグラフキャリバーUN-153をベースに開発されたキャリバーUN-155で、約3日間のパワーリザーブを備える。44mm径のケースはステンレススティール製で、ラバーを組み込んだ溝のあるベゼルと、型抜きのラバー製プッシャー、ねじ込み式リュウズが合わせられ、100m防水となっている。文字盤は2種類あり、ひとつはオーシャンブルーに「アルテミス・レーシング」のイメージカラーであるイエローが合わせられたもの、もうひとつは海の泡のような白色となっている。

2014年初出。