ジャガー・ルクルト「JLC ポラリス・クロノグラフ」をじっくり見てみよう(後編)

FEATUREWatchTime
2019.08.07

 1968年製のアラーム腕時計「メモボックス・ポラリス」をベースに、2018年に刷新されたジャガー・ルクルトのポラリス・コレクション。ステンレススティール製ケースのブルー文字盤のクロノグラフモデルを着用する機会を得た筆者のレビューになぞらえて、その特徴をお届けする。ケースと文字盤の詳細を伝えた前編に続き、後編ではムーブメントやストラップをフォーカスする。
●「ジャガー・ルクルト『JLC ポラリス・クロノグラフ』をじっくり見てみよう(前編)」を見る

Originally published on watchtime.com

ジャガー・ルクルト
「JLC ポラリス・クロノグラフ」

ジャガー・ルクルト「JLC ポラリス・クロノグラフ」。自動巻き(Cal.751H)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。SS(直径42mm、厚さ11.9mm)。10気圧防水。カーフストラップ。110万円(税別)。


文字盤ディテール

 ブルーオーシャンカラーが美しい文字盤のディテールを見ていきたい。幅広なペンシル針や、オリジナルモデルのポラリスを反映した台形のインデックスは文字盤と好相性だ。それぞれ蓄光塗料が塗布されており、日中も暗所でも視認性を保っている。オリジナルモデルを踏襲した点には、秒針とデイト表示が無いという点も挙げられる。ふたつのサブダイアルはどちらもクロノグラフカウンターであり(3時位置は30分積算計、9時位置は12時間積算計)、長くテーパーの効いたセンターのクロノグラフ秒針は、クロノグラフ機構が駆動するまで、12時位置にきちんと収まっている。デイト表示が無いという点を気にする人は少ないであろう。何日間か時計を使用せずにいた後に着用する際、デイト表示が無いほうが時刻調整は容易である。

ふたつのサブダイアルには、スネイル仕上げが施されている。

外周部分のオパーリン仕上げは、文字盤のミニッツスケール部分のグレイン仕上げとのコントラストを成している。


ムーブメント

「ではどれくらいの間この時計を巻き上げずに、そのままにしておいても大丈夫なのか?」という質問が出てくるだろう。そこで4本のネジで留められたサファイアクリスタル製ケースバックから鑑賞できる自社製自動巻きキャリバー751の話に触れたい。このムーブメントは部品点数262パーツで構成されており、クロノグラフ機構には垂直クラッチ式コラムホイールを採用している。オープンワークが施された両方向回転式のローターには、センターにブランドロゴの「JL」が形取られており、アントラシットカラーのコーティングとコート・ド・ジュネーブが施されている。冒頭の質問に答えると、クロノグラフを駆動させない状況ではパワーリザーブは約65時間駆動し続ける。コート・ド・ジュネーブは、エッジに面取りが施され、青焼きネジで留められた受けや地板にも見受けられる。

ケースバックから鑑賞できるジャガー・ルクルトの自社製キャリバー751。

巻き上げローターは、アントラシットカラーのコーティングが施されている。

コラムホイール機構のクロノグラフ。


ストラップとバックル

 最後に、ポラリス・クロノグラフに採用されている、適度なスポーティーさとヴィンテージ感を兼ね備えるストラップを見ていこう。同色のステッチが施されたダークブラウンのカーフレザーストラップは、程よく経年変化を起こしたような風合いがある。実際に経年変化しているものではないため硬化などはしておらず、しなやかで優れた着用感を与えるものだ。心強いダブルフォールディングのステンレススティール製のバックルは、サテンとポリッシュの組み合わせにロゴが合わせられた仕上がりで、時計を手首に心地よく収める。他にもステンレススティール製ブレスレットの用意もあるが、ヴィンテージ調の時計に合わせるならばレザーストラップの方が魅力的に映る。

ヴィンテージ調に仕上げられたブラウンカーフレザー。

 ジャガー・ルクルトのJLC ポラリス・クロノグラフは、新作であるにもかかわらず、一見ヴィンテージウォッチに見せかけるように作成されたものであろうか? おそらく、そうではないだろう。スポーティな要素を多く含むこのモデルは、直感的に現代的なジャガー・ルクルトのラグジュアリーピースだと認識できるだろうか? ほぼ、認識できるだろう。丁寧な仕上げがいくつも施された目を引くブルーの文字盤は、注目に値するだろうか? 確実に値する。110万円という価格は、対価として適当であろうか? さまざまな答えが想定されるが、筆者の答えはイエスである。

Contact info: ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833