A.ランゲ&ゾーネ/ランゲ1 Part.2

2017.10.19

ランゲ1の文字盤設計図。図面に従うならば、最終デザインの完成は1994年の3月7日である。破線は筆者による補足。アウトサイズデイトと、スモールセコンド、時分針の中心点を結ぶと、文字盤の中央に正三角形が浮かび上がってくる。また時分針とパワーリザーブ表示の中心も、文字盤の中央からそれぞれ線対称の位置にある。アシンメトリーな造形のランゲ1の文字盤。しかし幾何学的な構成要素という、傑作に共通した要素を、巧みに盛り込んでいる。
広田雅将:取材・文 奥山栄一:写真
[連載第5回/クロノス日本版 2011年7月号より増補改訂]

傑作になるべくしてデザインされた意外なセオリーとは…

1994年に発表されたランゲ1は、ランゲの第1作であるだけでなく、今なおランゲを代表する傑作として知られている。
ではなぜ、この時計は現在の古典として名を残すに至ったのか。理由は、ムーブメントではなく、文字盤のデザインにあった。
一見異形に見えるが、過去の傑作に共通するあるデザイン要素が、この時計の文字盤には盛り込まれていたのである。