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ブレゲ/タイプXX Part.2(1/3)

開発コードナンバー、タイプXX
フランス航空界が求めたリスターティング・クロノグラフ小史

電波航法の普及とインドシナ戦争が後押しした“タイプⅩⅩ”の開発。
様々なメーカーがフランス空軍、および海軍航空隊にタイプⅩⅩ規格のクロノグラフを納入したものの、
スタンダードとなったのは、ブレゲとドダネであった。
当初はサプライヤーの一社にすぎなかったブレゲが、なぜ後の基準機になったのだろうか。

広田雅将:取材・文 吉江正倫、奥山栄一:写真
[連載第16回/クロノス日本版 2013年7月号初出]

1st Generation

(左)タイプ トゥエンティ
No.1780

1955年に販売された、タイプⅩⅪ仕様の民間向けモデル。ゴールドケースは3点のみの製作といわれる。またブレゲは1960年に、クリーム文字盤のモデルを6点製作した。他にもブラウン文字盤があったとされるが詳細は不明。3時位置の30分積算計は15分刻みである。ブレゲ蔵。

(中)タイプ トゥエンティ
No.4100

通称「アエロナバル」。1960年1月13日にフランス海軍に販売された個体。公式なアエロナバルには、裏に000/500という刻印が記されている。またブレゲはCEVのためにも、アエロナバルを製作したといわれる。3時位置は15分積算計。他のスペックは右モデルに同じ。ブレゲ蔵。

(右)タイプ トゥエンティ
No.3945

1959年11月23日、アルジェの航空技術協会に販売されたタイプⅩⅪ仕様。3時位置の積算計は15分刻みだが、資料には30分積算計とある。第1世代では珍しく、12時間積算計を併載。手巻き(Cal.222)。17石。1万8000振動/時。SS(直径38mm)。防水ケース。ブレゲ蔵。


 フランス空軍のパイロットウォッチ規格であるタイプⅩⅩとタイプⅩⅪ。タイプⅩⅩの制定は1952年12月26日。これにアワーマーカーを刻んだ回転ベゼルを加えたタイプⅩⅪ規格は、56年4月に制定された。どのメーカーがサプライヤーであったのかについては諸説あるが、そのガイドラインは残されている。

 3時位置と9時位置にインダイアルを備え、そのうちひとつは30分を計測できること。黒文字盤であること。直径は37㎜であること。日差8秒以内であること。クロノグラフの誤差が1分あたり0.2秒以内。クロノグラフ作動時の時計の誤差が30分あたり0.5秒以内。パワーリザーブが35時間以上であること。スタート、ストップ、リセットの動作を故障なく300回以上クリアすることなどである。この規格は穴石の形状(オリーベ+ミ・グラス)や数さえ規定していたが、最も重要な点は、クロノグラフはフライバック付きと規定したことと、そしてクロノグラフの精度を明記していた点にあった。かつてドイツ空軍は、フライバック付きのクロノグラフを電波航法に使用。これは電波航法の広まりに伴い、いっそう有用な手段になった。高価なタイプⅩⅩが、後に最新鋭のミラージュを装備した部隊に、優先的に割り当てられた理由だろう。

1930年代に製作された、航空機用のクロノスコープ。20年代以降、ブレゲの所有者となったブラウン家は、航空計器の納入も行うようになった。このときの航空業界との関わりが、やがてタイプⅩⅩの製作に生きてくることになる。
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