オメガ/シーマスター300 Part.2

FEATUREアイコニックピースの肖像
2018.08.23

 搭載するムーブメントは、第1世代がキャリバー500系(17石の500、または19石の501)。第2世代以降は550系(17石が550、24石が552)に変わり、第3世代のデイト付きモデルは560系(17石が563、24石が565)も搭載している。性能はほぼ同じだが、自動巻き機構の信頼性と巻き上げ効率が大きく改善された。

 ケースの構造を見るなら、全面的に変わったのは第3世代以降だ。ナイアス式のリュウズが廃されねじ込み式に変更された他、回転ベゼルにはクリック機構が加えられた。ムーブメントのスペーサーも省かれ、コストのかかるねじ込み式のアーマードガラスも標準的なものに改められた。シーマスター300らしい個性は減じたが、第3世代での改良をもってシーマスター300は完成に至ったと言ってよいのではないか。

 なおオメガは67年以降、増えすぎたシーマスターコレクションの整理に取りかかった。それにともないシーマスター300も第4世代に置き換わったが、これはデザインだけを変えた、在庫整理モデルと見るべきか。

 情報が少ないために断言は避けたいが、オメガはシーマスター300を、デイリーユース向けと飽和潜水に対応したプロ向けに発展解消させたかったようだ。事実、70年にシーマスター300は生産終了となり、普段使いに向く「シーマスター200」(200m防水)と、600m防水の「プロプロフ」に置き換えられた。そしてオメガのプロ用ダイバーズウォッチは、逆回転防止ベゼルを備えた「シーマスター 1000」(71年)でようやく頂点に達することになるのである。

(左)第1世代(CK2913/ST147.552)と第2世代(ST165.014/064)のケース。分厚いOリングと、ムーブメントを固定するスペーサー、そしてアーマードガラスをケースに固定するためのリングに注目。
(左)アーマードガラスを据え付ける専用工具が“リングキー”。外周にスティールリングを取り付けた風防をケースにはめ込み、リング裏の凹みにリングキーの突起を噛み合わせてねじることで、風防はケースに固定される。(右)1962年の第3世代(ST165.024/ST166.024)でケース構造は一新された。クリック式の回転ベゼルを支えるため、ケース内部にはバネが内蔵されたほか、アーマードガラス外周のスティールリングも省略された。