ウブロ/クラシックフュージョン Part.3

FEATUREアイコニックピースの肖像
2018.10.02

現行ウブロのベーシックレンジを支える〝第2の基幹コレクション〟へ

2010年以降、ウブロは注意深く、薄型化の方向にも舵を切ったその役割を担ったのが、かつてエントリーと見なされてきたクラシックコレクションである。かつては自社製ムーブメントも、立体的なケースも持たなかったこのコレクションが、なぜこうした重責を担えたのか?その理由は、ビバー一流のモディフィケーションにあった。

クラシック・フュージョン クロノグラフ
キングゴールド レーシンググレー Ref.521.OX.7081.LR

2011年初出。基本的な構成は不変だが、インデックスが多面体に、針は肉抜きされていないシンプルなものに変更された。自動巻き(Cal. HUB1143)。59石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。18Kキングゴールド。5気圧防水。327万円。
吉江正倫:写真
広田雅将(本誌):取材・文
[連載第36回/クロノス日本版 2016年11月号初出]

 ビッグ・バンとクラシック・フュージョンの違いは何か? ウブロが説明するように、最大の違いはケースである。複数の部材をレイヤーのように重ねるビッグ・バンと違い、クラシック・フュージョンは、鍛造で成形した3ピース(ベゼルとケースの間に挟む「耳」を含めれば4ピース)ケースを持つ。鍛造で作る以上、ケース厚を増すのは難しく、当然の帰結として、クラシックは薄い時計に留まらざるを得なかった。現行モデルを見ても、搭載するムーブメントは薄いものが多くを占める。

 ビバーの各モデルに対する手の入れ方には、改めて感心させられる。インデックスやラグの立体感を増してデザインを進化させた後は、平たい文字盤を生かすべく、文字盤の仕上げに凝るようになったのである。自社製ムーブメントと立体感を強調するビッグ・バンに対して、現在のクラシック・フュージョンはドレスウォッチのような仕上げと性格を持つモデルへと変わったのである。事実、2008年モデルでスケルトン化された針は、10年に〝普通のバーハンド〟に改められ、ベゼルもケースと同素材になった。

 もっとも、自社製ムーブメントや新素材に依存することなく、魅力を増すことに成功したのは、細部の詰め方が驚くほど厳密だったからである。いくつかの例を挙げてみよう。

 まずは風防の進化。クラシック・フュージョンのリリースと同時期に、ウブロは風防へのコーティングを変更した。保護膜の青みを抑えることで、文字盤の発色をより鮮やかに見せることに成功したのである。以降、ウブロのプロダクト、とりわけクラシック・フュージョンの文字盤表現は多彩になった。16年に発表された限定モデル「クラシック・フュージョン ベルルッティ」は、文字盤に凝るクラシック・フュージョンを象徴するモデルと言えるだろう。