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オーデマピゲ/ロイヤル オーク オフショア Part.3(1/2)

Royal Oak OFFSHORE
DIVER [42MM]
回転インナーベゼルを加えた高圧防水機

ロイヤル オーク オフショア ダイバー[42mm]
Ref.15710ST。2010年発表のRef. 15703をシースルーバックに改めたダイバーズウォッチである。ISOに準拠したプロフェッショナル向けの時計だ。2014年初出。自動巻き(Cal.3120)。40石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径42mm)。300m防水。190万円。
吉江正倫:写真
広田雅将(本誌):取材・文
[連載第37回/クロノス日本版 2017年1月号初出]

 オーデマ ピゲというブランドは、まずは限定版で市場の反応と製品の完成度を確認し、その後にモデルを定番化する、というプロセスを好んできた。同社の定番モデルが、良好なセールスと高い信頼性を誇ってきた理由だ。オフショアも例外ではなく、実のところ、多くのレギュラーモデルは、限定版の発展型として生まれたものだった。好例がクロノグラフの44㎜モデルであり、2014年の「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」(Ref.15710)だろう。

 多くの人はこれを純然たる新作と考えているが、原型は06年の「オフショア・スクーバ」(Ref.15701)にまでさかのぼる。これはブティックのみに少数製造された限定版だったが、回転インナーベゼルを加えたケースは純然たる新造品であり、インデックスとベゼルに採用されたオレンジ、青、そして赤という色味も新しい試みだった。搭載ムーブメントは、ジャガー・ルクルトの889をベースにした高精度なキャリバー2325。しかしスクーバという名称が示す通り、この野心的な限定モデルは、ISOに準拠したダイバーズウォッチではなかった。もっともオーデマ ピゲの慎重な姿勢を考えると、彼らはあえて第1作をスクーバに留めたと解釈すべきだろう。事実、同社はスクーバをベースとした本格的なダイバーズウォッチの「オフショア・ダイバー」を、その4年後に追加したのである。耐磁ケースを持つ点は従来に同じだが、自社製ムーブメントが採用され、ISOに準拠したダイバーズウォッチに進化した点が異なる。その後継機にあたるのが、14年のRef.15710である。見た目はほぼ同じだが、耐磁ケースを省くことで時計は軽くなり、装着感はいっそう向上した。

 長い時間をかけてレギュラーモデルを作り込んでいくオーデマ ピゲ。本作の優れたまとまりもむべなるかな、だ。

(左上)2006年初出の「オフショア・スクーバ」に酷似したケース。もっともムーブメントが変更されたことを考えれば、まったく同じではないだろう。そのケースは、ロイヤル オーク ファミリーに共通した切り立ったエッジを持つ。筆者の見た限りで言うと、10年のRef.15703に比べてもなお良好である。(右上)シルバーカラーにメッキ仕上げされたメガ・タペストリー文字盤。ロゴ回りの造形が示す通り、エンボス仕上げとは思えないほどのエッジを持つ。オフショアで最も進化した部分は、文字盤だろう。(中)ケースサイド。ロイヤル オークもオフショアも、基本的にはパッキンに依存した防水システムを持つ。対してこのモデルは、ミドルケースとケースバックの精密な噛み合わせが示す通り、パッキンをケース内に持つ。(左下)ディテールへの注力を端的に示すのが文字盤だ。繊細な下地を生かすべく、文字盤自体はメッキ仕上げ。対して回転インナーベゼルの一部には、艶のあるラッカー仕上げが施されている。文字盤全体をグロス仕上げにしなかったのは、本格的なダイバーズウォッチを意図したためだろう。事実、この時計の視認性は極めて良好だ。(右下)ケースバック。Ref.15701までは耐磁ケース入りだったが、15710ではシースルーバックに改められた。耐磁性能は下がったが、装着感は良好である。
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