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タグ・ホイヤー/オウタヴィア Part.2(1/1)

AUTAVIA [2017]
コレクター主導で導き出されたアイコンの再構築

オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ
オウタヴィア・カップで選ばれたデザインを採用した新作。純然たる自社製のホイヤー 02を搭載する。単なる復刻版に留まらない意欲作。自動巻き(Cal.ホイヤー 02)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SS(直径42mm)。100m防水。56万円。
吉江正倫:写真
広田雅将(本誌):取材・文
[連載第46回/クロノス日本版 2018年7月号初出]

 タグ・ホイヤーのCEOとなったジャン-クロード・ビバーは、タグ・ホイヤーには生かされていない遺産が多いことに気づいた。彼はさまざまなモデルの復刻を検討し、「オウタヴィア」もそのひとつだった。2016年のバーゼルワールドで、ビバーはオウタヴィアのリバイバルを宣言。その際、面白いアプローチを採用した。というのも、ただ復刻するのではなく、「インターネットで復刻して欲しいデザインを募集し、1位になったモデルを選ぶ」というのだ。世界中の時計愛好家は熱狂してこの「オウタヴィア・カップ」に参加した。

 もっともビバーは新しいオウタヴィアを、〝見た目だけの復刻版〟にするつもりはなかった。ホイヤーがすでに完成させていたCH80を改良して、搭載しようと考えたのである。基本設計はCH80に同じ。しかし、耐久性を考慮して、ムーブメントの厚みは6.5㎜から6.9㎜に増やされた。これが新しいクロノグラフムーブメントのホイヤー02である。ホイヤーが腕時計のジャンルに本格参入するきっかけとなったオウタヴィア。その復刻版に、ビバーは純然たる最新の自社製キャリバーを選んだのである。ビバーは、オウタヴィアという名前が持つ意味を、十分に理解していたのだろう。

 16年3月31日には、1回目の選考が行われ、8つのモデルが残った。4月14日には2回目の選考があり、モデルは4つに絞られた。そして最後に残ったのが、通称「リントモデル」こと〝Ref.2446 Mark3〟だった。17年のバーゼルワールドで、ビバーはリントモデルをベースにした、まったく新しい「オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ」を発表。たちまち世界的な人気を集めることとなったのである。

(左上)オリジナルのRef.2446 Mark3に同じく、インデックスと時分針はダイヤカット仕上げ。クリーム色のスーパールミノヴァをあしらうことで、ヴィンテージ感を強調している。近年のタグ・ホイヤーはインデックスにダイヤカット仕上げを多用している。(右上)オリジナルとの大きな違いが、秒針の位置。バルジュー72を搭載する初代オウタヴィアは9時位置に秒針があった。対して、ホイヤー02を載せた本作は、6時位置にある。ムーブメントの振動数が2万8800振動/時のため、ミニッツトラックは5分の1秒ではなく、4分の1秒刻みに変更された。(中)ケースサイド。オリジナルのプロポーションをよく残しているが、直径は39mmから42mmに拡大した。また、風防がフラットになったため、ベゼルの立ち上がりも強められている。ドームサファイアを採用しなかった理由は、おそらくコストか。個人的な希望を言うと、販売価格を上げても、ドームサファイアの採用が望ましかった。(左下)ケースバックからのぞくホイヤー02。垂直クラッチと、より洗練された12時間積算計機構を持つ新型クロノグラフ。ベースはCH80だが、耐久性を増すべくムーブメントがわずかに厚くなった。(右下)ケースサイド。加工技術の進歩を反映して、ケースの面は比較的よく出ている。またベゼルの節度ある操作感も好ましい。

【アイコニックピースの肖像】
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