【名作スーパーカー100選】File.05「ランボルギーニ カウンタック LP400」

LIFEcar
2019.04.22

Lamborghini Countach LP400
ランボルギーニ カウンタック LP400

ランボルギーニ カウンタック

[GENROQ Web 転載記事]
山崎元裕:文
Text by Motohiro Yamazaki

車名は闘牛ではなく“驚き”の意

 1960年代終盤のランボルギーニ。そのエンジニアリング部門の忙しさは相当なものだった。そこに十分な人材がいたというわけではなく、すでに会社全体をマネージメントする役をも担う立場にあった、エンジニアのパオロ・スタンツァーニをマネージャーとする小さなチームが、まずはポルシェ911の市場を狙うべくV型8気筒エンジンを搭載するミッドシップ、しかも2+2という成り立ちのウラッコを手がけていた。続いてミウラの後継となる12気筒ミッドシップモデルのプロジェクトが同時に進行していた……。

ランボルギーニ カウンタック

 ここでは、後にカウンタックとネーミングされる12気筒ミッドシップモデルを解説しておくことにしよう。

 ランボルギーニに掲げられるネーミングといえば、その多くは闘牛に関連するものであることはよく知られているとおり。ミウラはスペインで優秀な闘牛を育てる牧場のひとつであるし、後のディアブロやムルシエラゴ、あるいはアヴェンタドールもまた闘牛の名にちなむ。珍しいところでは、エスパーダは闘牛士が使う刀剣の名が与えられていた。

 だが、カウンタックという名称は、闘牛には一切関係ない。現地では“クンタッチ”あるいは“クーンタッシュ”とも発音されるようだが、これは驚きなどを表現する時のイタリア、ピエモンテ地方の方言。1971年にカウンタックのプロトタイプ、LP500がジュネーブ・ショーで発表される直前、ファクトリーで保管されていたそれを見た者が思わず発してしまったのが、この言葉だったという。ちなみにカウンタックという呼び名は日本のみ。当時、日本のメディアがクンタッチと呼ぶには違和感が残ることから、著名な編集長2名が話し合いのうえ、カウンタックと名付けたと言われている。

ランボルギーニ カウンタック

天才ガンディーニによる斬新なデザイン

 デザイナーはもちろん、ミウラと同様にマルッチェロ・ガンディーニ。その才能はこのカウンタックにも見事に開花している。

 カウンタックのプロトタイプは、その言葉どおりに熱狂とともに迎えられた。車名に添えられるLPは、L=ロンジトゥディナーレ(縦置き)、P=ポストリオーレ(リアエンジン)、500=5000ccの排気量を意味するもの。カウンタックとミウラが大きく異なるのは、エンジンの搭載方法が横置きから縦置きへと変わったことだ。

 スタンツァーニは、そのためにV型12気筒エンジンと5速MTからなるパワートレインをボディの後方からエンジンルームに収め、最も前方の5速MTでトルクを折り返してデファレンシャルに送るという手法を考え出した。彼の胸中には、この手法をさらに進化させ、カウンタックで4WDにトライするという意思があったというが、残念ながらこれは実現しなかった。

 結局、プロトタイプのLP500は、熱対策を始め、さまざまなトラブルを解消することができず、生産型のカウンタックがデビューする1973年まで待たなければならなかった。

ランボルギーニ カウンタック

プロトタイプには及ばなかった生産型「LP400」

 そして、1973年にデビューしたのが「カウンタックLP400」。プロトタイプのLP500からボディ構造も大幅に変更され、後にカウンタックの象徴ともなる冷却効果を狙ったエアインテークが設けられた。

 エンジンは3929ccのV型12気筒を搭載。これに6基のウェーバー製キャブレターを組み合わせて、375ps/5500rpmの最高出力を得るが、もはやこれが限界だった。ちなみにプロトタイプのLP500では、4971ccのV型12気筒から440psを出力したというから当時のファンは落胆したようだった。

 基本骨格となるのは丸型断面を持つチューブラーフレーム。LP400のウエイトが1065kgと発表できたのも、この軽量なフレーム構造による部分が大きい。

ランボルギーニ カウンタック

LP400以降、進化を重ねるが……

 1978年には改良型となるカウンタックLP400Sへと進化。ボディのディテールが改められ、ワイドフェンダーやリアウイングなどが追加されたことで戦闘的な雰囲気がさらに高まった。しかしその一方、エンジンはこの時代のスーパーカーが直面した排出ガス規制によって、353psにまで低下することになる。

 さらにその後も、カウンタックの進化は続き、1982年にはようやく最高出力が375pにまで復活したLP500Sが、4754cccのV型12気筒エンジンを搭載して誕生。1985年には、その前年にフェラーリがテスタロッサをデビューさせたのを見届けるかのように、5000クワトロバルボーレをデビューさせる。5167ccのV型12気筒DOHCエンジンの最高出力は一気に80psアップして455psに。295km/hの最高速度を誇るに至った。

 そして、ランボルギーニが創立25周年を迎えた1988年、カウンタックには衝撃的なファイナルモデルが誕生する。その詳細は、別項で解説することにしよう。

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