9月のカレンダー

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最近のコメント

各月のブログ

LEMさんのブログ

(一般に公開)

MRG-B5000──初代への忠実とスマートウォッチとの対比2025年09月23日06:18
1983年に登場した初代G-SHOCK(DW-5000C)は、角型のデジタルフェイスと堅牢な外装で「壊れない時計」という新しい価値を生み出した。
MRG-B5000はそのデザインを忠実に受け継ぎながら、チタン合金やコバリオン、DLC、ザラツ研磨といった最先端かつ最高級の素材・加工で包み込んでいる。
つまり「形は初代に忠実、内容は最先端に贅沢」という、時計史の文脈では極めて稀な存在だ。
一方で、デジタル表示を合理的に突き詰めた現代の終点はスマートウォッチである。アップルウォッチを筆頭に、それらは通信機能やアプリ連携を備え、利便性を極限まで高めている。
そこに宿るのは「合理性」であり「進化の必然」だが、「腕時計文化」としての連続性は薄い。毎年買い替えるガジェットに近い存在であり、伝統的な時計のように「宝物」として残りにくい宿命を持つ。
MRG-B5000は、スマートウォッチが進化の最先端を担うのと正反対に、「あえて制限されたデジタル表示」という昔ながらの枠内にとどまる。
しかしその枠を最高級の外装で包み込むことで、「使い捨てのツール」から「文化的価値を持つ宝物」へと昇華させた。
ここにこそ、CASIOの矜持がある。合理性を突き詰めるのではなく、「時計らしいデジタル」を守りつつ贅沢を極めることで、デジタル時計の新たな可能性を提示している。
アップルウォッチが「未来的な合理の象徴」だとすれば、MRG-B5000は「伝統的デジタルの究極」である。
初代G-SHOCKに忠実でありながら、世界で最も贅沢に作られたデジタル時計。
それは単なる高級モデルではなく、スマートウォッチの時代にあえて提示された、デジタル腕時計文化の一つの終点と言えるだろう。

コメントを書く

本文
写真1
写真2
写真3
Chronos定期購読のお申し込み