ミドリフグさんのブログ

(一般に公開)

Zenith G.F.Jのご紹介 その1 購入編2026年05月15日03:08
皆様ごきげんよう。
今回はZenithよりG.F.Jをご紹介したいと思います。
写真1は元祖GFJとのツーショットになります。ずっとこれをやりたかった…(笑)
「160周年記念モデルなのに年明けちゃってるじゃねえか!」というツッコミが画面を通して聞こえてくるようです…こ、これには深い理由があってですね…
さて早速本題に参りましょう(笑)


<出会い>
この時計の出会いのきっかけは2025年の7〜8月に日本橋三越にて開催されたワールドウォッチフェアとなります。このイベントで展示されていた実機に触れたことがすべての始まりでした…
W&W2025にて、復活した伝説のムーブメントを引っさげて登場した新モデルのこの時計が発表された時、私は静かにガッツポーズをし、仕事そっちのけで記事を食い入るように読むと同時に、色んな意味で私には一生無縁な時計だろうなという諦めのような感情もありました。
月日は流れ、ワールドウォッチフェアの記事を眺めていると、ZenithではなんとG.F.Jが展示されるそうじゃないですか。復活した伝説のキャリバーの実物を見ることができるなど、行かない選択肢などあるはずもなく、ウッキウキでフェア会場へ赴きハンズオンまでさせてもらった訳です。そしてスタッフの方と色々話し込んでいると、予約開始と同時に売り切れたこのG.F.J、急遽予約キャンセルが出て1枠空いたというではないですか。とはいえ、いきなりなので当然「いや~流石にこの価格はポンと出せませんて(笑)」とお断りしてしまったのですが…
さて、いざ実物をハンズオンしてみると写真よりもずっとケースの作りが素晴らしく、39mmのケースも実際は数値ほどのサイズ感はありません。主張しすぎず、かといって控えめすぎでもない絶妙のラインであり、美しいラピスラズリ文字盤とともに腕に静かに、そして力強くその存在感を示してくれます。
このイベントが終わったらもう人生で二度と会うことはないであろうこの時計を存分に堪能した後、静かにお別れを告げその日は帰路につきました。そして想定外の事態が…
家で一息ついてからのこと、脳に焼き付けたその日の経験を反芻しているうちにあるシーンのあるセリフが何度も脳内をリフレインするのです。


「実はこの時計、先日予約キャンセルが出て1枠空いております」


やっべぇ…………クッッッッッッッッッッソ欲しい…………


<時計の暗黒面の誘惑>
それから2週間ほどの期間、隙あらばあの日の「悪魔の囁き」が、一度は決別を決意した私の覚悟を少しずつ、着実に崩しにかかってきます。このお値段、パンピーが実用品として買うには法外だけど、かといって全財産費やす人生をかけた買い物ってほどの値段でもない。そして私はパンピーではなくただのオタク。実用品ではなく、オタクアイテムとしてなら家宝枠としてこのくらいの物が一つくらいあってもバチは当たらないのでは…?と思ってしまう絶妙なラインなのですよね…
そして自分の性格からして、長い目で見た時、この時計のバックボーンを考えたら最終的に絶対に欲しくなる一本であることは火を見るより明らかであり、定価の今こそが一番安く買えるまであるといったオタクにあるまじき下世話な考えにまで至ります。

わずか2週間でもはや陥落寸前です(笑)
決意と覚悟とは一体…



<お誕生日サプライズ>
さてそんな葛藤が続くうちに、もう数えたくもない三十数回目の誕生日を迎えます(笑)
その日は休日であり、趣味のバイオリンのレッスンが朝イチから入っていたものの、終わった後は何か予定を入れているわけでもなく、家庭を持っている訳でもなけりゃもはや祝ってくれる家族も既にいなくなってしまった今、いつも通りのなんてことない休日となる予定でした。帰りに愛車のキーを入れた時ふと頭にこんな考えがよぎります。

「そもそもこんなに期間空いたら流石にもうG.F.J売れちゃってるよな…見に行って売り切れた現実を目の当たりにしたら流石に諦めがつくだろう」

そして急遽予定変更して日本橋のZenithブティックまで直行します。フットワークの軽さは独身オタクの特権さ…
そしてスタッフの方に聞いたところ、なんとまだ残っているではありませんか…!
流石にサプライズ出品すぎたのか、皆さま私と同様、一度は「欲しい!」となるものの、なかなか「良識」という名の最後のラインを超えられないようでした。
時計の悪魔、最後の仕上げに誕生日プレゼントという名のとんでもない爆弾を置いていきやがりました…


<陥落(笑)>
流石に“もう売れている”という前提でここに来たため、この事態は想定外でした…
ここでふとある疑問が浮かびます──自分は時計オタクではなくZenithオタクである。Zenithオタクなら誰もが欲しがると言っても過言ではない伝説のキャリバー135。その復刻第一号を引っ提げ160周年という記念すべき年に登場した、時計史のマイルストーンともいえるこの時計。買える金はあるどころか守るべきものなど何も無い身の上にも関わらず、なぜ自分はこんなにも「刺さる要素しかない時計」を頑なに拒絶し続けているのでしょう…?
絡まった糸を丁寧に解くように考えを整理した結果、「こういう時計は界隈の第一人者人生の成功者しか買ってはいけない」という漠然かつ無根拠の謎の縛りが私の足に枷をかけていた事に気付いてしまうのです。なんということでしょう…これまで「オタクたるもの一本芯を持て。そのうえで自由であれ」を信条に生きていたつもりでした。それが、いつしか私は世界を狭める足枷を「持つべき芯」と誤認し、「高い時計は成功者の象徴」などという誰が言い出したかもわからない狭い価値観の牢獄の中から声高に自由を説く愚行に及んでいたことになんの疑問も抱かずにいたのです。
こうして時計業界が張り巡らせた虚栄の霧から抜け出した私は一つの真理に辿り着きます。


──モブオタクだって高い時計持ってたっていいじゃない。売れ残っているのだもの


こうして高い買い物を納得させるためだけに大層な命題を解き、


「……ましゅ……買いましゅ…」


とつぶやいた一介のオタクの顔はきっと───暗黒面に堕ちた時のアナキン・スカイウォーカーのような───最後の一線を越え、もう引き返せないことを悟った顔だったに違いないでしょう。


<次回予告>
時計の紹介とか言っておきながら一介のオタクが暗黒面に堕ちた時の思い出話で終わってしまいました…
さて、こうして無事Zenithと暗黒の契約を果たし、実際にG.F.Jを手にしたのは3ヶ月後の2025年11月末のことでした。しかし喜びもつかの間、ただでは楽しませんぞと言わんばかりに色々なトラブルに見舞われます…これが暗黒面の代償…

では次回トラブル編、お楽しみに~
  • zenith

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