6月のカレンダー

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最近のコメント

各月のブログ

Hajime Asaokaさんのブログ

(一般に公開)

時計が丸い理由。2015年06月21日21:18
アップルウオッチの外装の作りが良いと評判である。
 しかし、これは少しズルいのだ。
 外装の品質を決める一番大事な要素は、言うまでも無く研磨である。その研磨というものに対し、「し易い形」と「難しい形」がある。アップルウオッチは、そういう意味で、最初から「し易い形」ということを非常に意識して形作られている。具体的に言うと、研磨の際に障害になる突起や段差が全く無いのだ。バフの入りにくい突起や段差のキワの部分を磨こうとすれば、他の部分が研磨過剰になって、ダレてくるということが起きる。結果、外装の形状が甘くなる。
 アップルウオッチは、時計の「様式美」には殆ど囚われずにデザインされているから、このような思い切りも可能だが、高級ウオッチの場合は、なかなか難しいものである。
 そのアップルウオッチのデザインディレクターのジョナサンアイブによれは、アップルウオッチは、四角い形状意外は考えられなかったという。つまり、従来の時計の「丸型」は最初から想定外であったそうだ。これは表示ディスプレイを搭載するという観点から論理的なものであるという。僕も、そのような論理的であろうとする姿勢に賛成だ。アップル以外のメーカーからは、丸型のディスプレイを持ったスマートウオッチが販売されているが、いろいろな情報を表示するというスマートウオッチの性格にはそぐわないのかもしれない。
 逆に機械式時計の場合はどうだろうか?言うまでもなく、その丸い形状の理由は、針が中心に付いていて、回転するからである。これも論理的なものだ。だから、丸いのに針が中心に無いとか、そもそも形が丸以外のものというのは、論理的にはおかしいのである。
 ところで、現在のディスプレイは液晶や有機ELなどの薄い平面のデバイスだが、そのルーツをたどるとブラウン管ということになる。ブラウン管も、その最晩年にはほぼ平面の真四角であったけれど、最初期のブラウン管は完全な丸だ。それがやがて角の丸い四角になり、液晶に駆逐される直前頃には、ほぼ真四角になっていった。こうして見ると、ブラウン管の歴史というものは、ある意味その「丸」をいかに「四角」にするか?ということでもあったと思う。ここで僕が不思議に思うのは、何故に四角か?ということだ。というのも、我々人間の視野の領域というものは、四角いかというと、けしてそうではないからだ。肉眼の丸い水晶体を抜けた光は、眼球という球体に結ばれる。そこにはカメラのファインダのような矩形のフレームは無い。その視野に対し、四角い表示装置というものは、本来ならかなり異質のものでもあるように思われる。
 思うに、それは単純に紙を切り分けるのに都合が良かったということが、そもそもあるのではないか?という気がする。例えば、丸い紙というフォーマットを考えると、断裁の時に多量の廃棄物が出る。四角の場合は、殆ど無駄が出ない。こうして、最初のディスプレイたる「紙」の規格が決まり、それがやがて表示のためのフォーマットとして受け継がれたのではないだろうか?
 そう考えると、ディスプレイの形が四角いというのも、視覚上は、あまり論理的ではない気もしてくる。アップルウオッチもしかりだ。逆に、丸い機械式時計が、永らく愛されている理由が、そこから見えてくるようだ。

コメント

1番~2番を表示

2015年
06月22日
01:30

モノには機能に合わせた最も合理的な形や表示方法が存在するというのはおっしゃるとおりかと思います。アナログ時計は表示方法が時分新の回転によるものですから、視認性を最大限にしようとすると当然のごとく丸型に行き着く。逆にデジタル時計は角形が最も表示面積がでかくなる。

結果的にモノの形というのは、目指すべき用途とその方法によってある程度合理性と必然性を持って決まってくるものですね。

>水晶体を抜けた光は、眼球という球体に結ばれる。

そう言われてみると、自分の見ている視野って丸なのか、四角なのか意識したこと全然なかったですね。今ちょっと意識してみたけど、正直視野のフレームをうまく認識できない・・。

2015年
07月21日
11:34

ディスプレイが4角なのは、表示体の歴史でラスタースキャンがメインで
採用されたのが理由でしょうか?
まあ、現在、液晶ディスプレイなんかは、加工がしやすいから・・・なんて
ところでしょうか?

初めてのイの字は、丸い冷陰極管に写されてますね。でもラスターで表示
域は四角くなっていたと思います。

1番~2番を表示

コメントを書く

本文
写真1
写真2
写真3
Chronos定期購読のお申し込み