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(一般に公開)

宇宙時計 メモ  (一般に公開)2018年09月09日14:21
忖度という意味がワイロのように悪のイメージで使われていますが、実際は相手の気持ちを推し測るという意味で、人間関係の極めて崇高で綺麗な日本的関係を意味する言葉であります。

70年代における ブローバ VS スピードマスター の関係は忖度があったと考えられるかあるいはアメリカ的な合理的判断であったかは各人の捉え方によって持論があろうかと思いますが、極めて熾烈な争いがあったと僕は想像します。

1970年
アポロ13号、宇宙空間でのトラブル。スピードマスターが帰還に貢献したという永遠の逸話ができる。

1971年
アポロ司令船の内部計時に使用されているブローバ。13号のトラブルによりスピードマスターの名が先走り、自社の宣伝には全くならなくなった。そこで船外活動でも自社の時計をNASAに使わせようと「バイ アメリカ法」によって勝負をかけ始める。

NASAが腕時計調達を始めた頃、アメリカの腕時計メーカーにはクロノグラフがありませんでした。意地でハミルトンが確信犯的にスペシフィケーションを無視してマリンクロノメーターをNASAに提出した行為がアメリカ時計産業の焦りを露にしています。

1966年、ブローバはアキュトロンの特許使用で密な関係にあったユニバーサル・ジュネーブを買収しました。バルジュー72をユニバーサルが仕入れ、アメリカにてケーシング。実質半分はスイス製でバイアメリカ法にもとずけばギリギリでした。
オメガも同様。もちろんスイス製のレマニアをアメリカのケースメーカースターカンパニーにてケーシング。しかも検品はハミルトン。スターカンパニーは当時アメリカ製時計のケースメーカーとしては第一人者。アメリカの時計産業は機械を自社で作ってケースをケース会社に作らせる機構がありました。オメガはスターカンパニーとハミルトンというアメリカ時計産業の中枢と一緒にNASA用のスピードマスターを作っていたわけです。

ブローバ・ユニバーサル同盟 VS オメガ、スターカンパニー、ハミルトン連合

の図式が出来上がります。

コメント

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2018年
09月09日
16:09

1: LEM

ブローバの当時の指揮はオマー・ブラッドリー元陸軍大将。社長はブラッドリー直属の部下ヘンシェル大佐。忖度というよりもコネを使ってアポロの計時機器にブローバを採用させる。もっとも音叉時計が当時の時計として他に比べて遥かに優秀であったことは言うまでもないことですが。しかしクロノグラフを持たなかったのでNASAのスペシフィケーションに応えることはできませんでした。

2018年
09月09日
21:36

2: LEM

コンパックスシリーズでクロノグラフの高評価を得ていたユニバーサルを1966年に買収し、時遅くNASAのスペシフィケーションに合ったクロノグラフを作ったブローバは1971年を機にBuy Americanの名の下に公式採用腕時計の座を狙い始めます。

2018年
09月09日
22:53

3: LEM

当初NASAはスピードマスターが十分にストックしてあるから改めて採用を検討する必要はないとしていましたが、ブローバは政治家をも動かしました。さすがに元陸軍大将、ただでは引き下がりません。強烈な圧力のもとやむなくNASAは再度テストを開始。

2018年
09月09日
23:47

4: LEM

1972年9月22日に行われたテスト
候補メーカーリストの一部
テストすると通知した会社

オメガ
ブライトリング
ロレックス
ジラールペルゴ
ホイヤー
セイコー
ゾディアック

他 計17社


実際にテストされたのが明確ではないですが、このテストによって再びオメガスピードマスターは勝ち残ったという事実は有名な話であります。

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