[webChronos] -- 時計専門誌「クロノス日本版」オフィシャルSNSサイト --

• 
• 
• 

定点撮影スポットがあるように、ほぼ決まった道を走る事が多い。
ハイロウズであれば三脚をたてて眺めより景色よりもふたり並ん
だ写真を撮るだろうけれど、ベンサルタント気質でもあるから、
何の変哲もないクソどうでもいい景色を切り取っていきたい、と
思っているので、それなりに筋道は通っているのであるかと思う。

正直、ずっと日課の様にこなすにはモチベーションだってそれなりに
いるんだろうけれども、幸いにしてカメラという道連れがいてくれる
ので、その辺のストレスも感じていない。そんな適当さが幸いしてか
特に食事制限なんかする由もないのに、体重が10キロばかり減った。
成る程、中高年の多くが派手なジャージと引き替えに乗りたがる訳だ。

そこまでではないにせよ、ヘルメットはあったほうがよいであろうし、
お猿さんみたいなパットが尻にあるインナーぐらいあれば充分だ。
運動量や走行の記録が残せるGPSウオッチもあればいいんだけれど、
それらはスマホのアプリでもこなせなくはない。とはいったものの
写真も時計もスマホが肩代わりしてくれる今のご時世ではあるが、
それで十分だというのも時計やカメラが好きな身には少々詮ない。

やはりどう考えても何かを使うという事でモチベーションはあがる。
もしも運動したいといのがウォーキングとかで、道具が手軽だから
とっつきやすい、というのはもちろん悪い話ではないんだけれども、
自転車という道具がもたらしてくれる世界は思ったよりも広かった。

ふざけたこの街でなにをしよう、働いて喰って寝るまでの間だ
こんな街じゃ俺の遊び場なんてとっくに消えてしまった、なのに
風にならない都市よ、なぜ俺に力をくれる、と泉谷しげるは歌った。

翼なき野郎な者にとって、カメラや時計に並んで自転車はそうした
なぜに対するなにか、なんだろうかと思う。隣の高額で高級な時計
やカメラをのぞき、自分の道を確かめる。またひとつずるくなった。
当分照れ笑いが続く。それが「そんな身体でバイクのれんのかよー
ブレーキどーすんだよー」と問われた魔墓呂死特攻隊のジンさんの
バックミラーに映る顔にほんの僅かでも似ているとよいのだけれど。