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ゼンマイオヤジさんのブログ

(一般に公開)

『ノートルダムに敬意を込めて』~2019年04月17日06:15



悲報としか言いようがない。

人類にとっての大損失でもある。

言葉にも出来ない今回の事件であるが、

世界が一丸となって今回の災害にも対応しなければならないし、

それが後世に対する我々、今に生きる人間としての責務でもあろう。

***

この機会に、シテ島について述べる。

今回の大聖堂はシテ島の一番右端にある。

その反対側、一番左端の尖った形状を良く見て頂きたい。

万年筆のペン先や時計の針の形状に似ていると思った方は鋭い。

通称、『ドルフィン針』。

Grand Seikoでも採用している菱形の尖ったあの形状だ。

正確には『ドフィーヌ針』と呼ばれるこの針は、実はこの地形に由来するのである。

***

ドルフィン、とは英語のイルカ(Dolphin)ではない。

仏語のDauphineは、『王太子妃』、を意味すると、並木さんまで述べているが↓深掘りがない。
https://precious.jp/articles/-/3904

ドフィーヌ(Dauphine)とは、「王太子」を意味するドーファン(Dauphin)の女性形ではあるが、

正確な背景は少々異なる。


***

シテ島にはかつての宮廷用の広場として命名された”Palace Dauphine"があり、

更にその先端にはより鋭利・鋭角な”Square du Vert-Galant”がある(赤字部分)。

ドフィーヌ針の語源とはこのシテ島の形状とそこにある広場の名称に由来するのだ。

Wikipediaによると、

この公園は1607年にヘンリー四世によって、パリの公共広場の為に建設された。

ヘンリー四世はそれを彼の息子、1601年に生まれたフランスのドーフィン(後のルイ13世)

と名付けたのである。つまり、歴史的には『王太子紀』は関係ないのだ。

ドーフィン(ドーファン)とは将来のフランス王となる皇太子を意味する。

更に、このドーフィンの語源は何と『イルカ』であって、

ドーフィネ地方の領主の称号・紋章の図案でもあったことが分かる。

よって、一概にイルカとは無関係とも言えないことが分かる。

ドーフィネ地方は海に面していないのにイルカの紋章とは、

何とも味わいのある歴史の綾ではなかろうか。

***


以上、今回の不幸な大炎上を機に『ドフィーヌ針』について記録する。




  • 腕時計全般
  • 欧州ネタ

コメント

1番~12番を表示

2019年
04月17日
09:02

素晴らしい考察ありがとうございました。
勉強になりました。

それにしても残念(;O;)

2019年
04月17日
09:06

ドルフィン針の語源の考察勉強になりました。
全然勘違いしてました。

しかし、今回の事件リアルタイムで焼け落ちていく姿が全世界に発信されて
なかなか悲痛な思いで見てました。
復興してもとの姿になればいいのですが。

2019年
04月17日
09:10

昨日の飲み会でフランスを訪れたことのある人達はこの話題で大変残念がっていました。
寄付は既に集まっているようなので早目の再建を期待したいです。

この話題からドフィーヌ針で時計のブログにしてしまうゼンマイオヤジさんはさすが博識がお高い!

2019年
04月17日
12:08

4: anton


こんにちワン!

ドフィーヌ針、勉強になりました。

今回の火災は余りにも不幸な出来事ではありますが、尖塔の風見鶏がほぼ無事な姿で発見されるなど、不幸中の幸いもちらほらと・・・
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6320624

ふと画像ライブラリを当たったら、2013年7月18日の写真が見つかりました。

3枚目の写真に崩落した尖塔と屋根の在りし日の姿が写っておりました。

数年の後、人々の叡智と願いの結集によってこのような美しくも見事な威容が復活することを祈念します。

2019年
04月17日
12:12

5: LEM

先の大戦の戦火で焼かれた人類の遺産も多いかと思いますが、ノートルダムといえば知らない人も少ない人類の遺産。形あるものはいつかはということもありますが、こういう状況での焼失は残念でなりません。

2019年
04月17日
18:59

吉報です。

ttps://www.cnn.co.jp/world/35135896.html?ref=rss

2019年
04月17日
20:42

前回、ノートルダム寺院を訪問したのは2012年10月、
モロッコのマラケシュからパリ入りした時であった。
腕元にはParisに敬意を表して、Tank Louis Cartier、で臨んだ。

あれから早、7年も経過したのか。

***

マクロン大統領は5年で再建すると演説で大風呂敷を広げたが、
ノートルダム寺院は完成までに約100年を要した。
しかし、今回焼失した木造部分の再建を急げば、5年は分からないが、
建造物である躯体部分の修復は比較的早期に期待が出来るかも知れない。

自分の生存中に見ることが出来るか堂かは分からないが、
是非とも修復、再建に向けた動きが加速することを切に願う。

2019年
04月17日
20:46

さすが何事にも造詣が深いゼンマイオヤジさんです。
ドフィーヌの語源理解いたしました。

今回のノートルダム寺院は残念です。

不注意から焼失する場合もありますし、意図的に
爆破による破壊もあります。
どちらも人間の所業が絡んでいます。

2019年
04月17日
20:59

この写真は2008年3月、セーヌ川クルーズ船から撮影したもの。
周りは大阪からのおばちゃんツアー客に囲まれてしまい、
実は、船上がある意味、戦場と化した一幕でありました・・・

2019年
04月17日
21:10

コメントを頂いた皆さま、有難う御座います。
こういうブログにコメントを頂くことは自分としても大変心強く感じます。
そして、ドフィーヌ針ですが、過去にどこかで述べたような気がするのですが、
今、振り返るとどこにも無いことに気がつき、今回、『持論』を展開しました。

そして、よやや2さん、
実は私も同感でして、今回は失火が原因と推測されますが、
テロとか暴力的行為が原因でなかったことが不幸中の幸いではないかと思います。
大災害にイデオロギーだけは紛れ込んで欲しく無い。

わが国では自然災害が続いていますが、宇宙視点で見れば不慮の人災も
自然災害も大差ないと言えるかも知れません。
故意や悪意に依るものだけは避けたい、
その意味ではまだまだこれから我々に天はチャレンジ精神を求めているのではないでしょうか。

青い考えかも知れませんが、私はそのように受け止めております。

2019年
04月18日
11:59

今回の大火は、法隆寺金堂壁画の焼失を思い出しました。あの時も確か壁画の修復作業中の失火でした。火の元用心は洋の東西を問わずですね^_^ところで先日ツイッターを見ていると、思わず笑ったツイートがあったことをご報告しておきます^_^

2019年
04月19日
20:28

ムートンさん、

奇特な方の情報を有難う御座います。
『体調不良』、ではなくて、正確には『隊長、不良(ワル)』、なんですけねどね。
まぁ、確かにHP更新していないので完全に賞味期限切れですから死んだも同然です(>_<)
取り敢えずHP移設は完了したので、バリバリ更新したいんですけど、
色々と面倒でやり方も忘れちゃいました。

どーしようかなぁ~

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