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涼やか、という言い回しがある。とりあえずそういう事である。
まだ梅雨が明けたかは知らないが、いいかげん夏になってくる。
で、そうなると白い文字盤がなかなかよいものに思えてくる。
感覚というものは甚だいい加減なものであるので、白い文字盤が
なにゆえそう思えるのか？という理由もいい加減なものであろう。
琺瑯だと尚更そう思えるがこの際エナメルの定義はどうでもいい。

判っているのはチャリで40キロ弱ほどウロウロとした後に川辺で
ひと休みする時に白い文字盤の時計はなかなか心地よいのであり、
そういった感情につべこべと理由をこじつけるのもヤボであろう。
このセイコーは程よくクラシカルでNATO革ベルトがよく似合う。
ダルなラグ部にＳマーク入りの竜頭、ローマ数字の12時は赤く、
ワンポイントになっているのもファビュラスでグッドルッキンだ。

こうした暮らしはプライスレスだし、高級時計では肩が凝る。
程よいチャリのスピードのように肩の凝らない物選びは重要だ。
素敵な時計じゃないか。一体全体、何の不満があるだろうか。
暑苦しい時計選びをよそに涼やかに物を選び程よくいたいものだ。