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『短評・NEW BALANCE CM996OG』 ~2019年10月06日09:24

1.CM996OGとの出会い:

  市内のNewBalance(NB)直営店で偶然見かけた冒頭写真のモデル。
  見た瞬間の第一印象は、『古くてアンティークの靴だなぁ~』。
  後に新品であることを知ったのだが、非常に使い込んだような『ヘタリ加減満載』であった。
  これが何を意味するかは後述するが、このモデルはNBのドル箱である996である。

  ”996 was not built in a day” (996は一日にして成らず)

  NBのキャッチフレーズは自信に満ちているが、実際はどうなんだろうか。
  996はナイキで言えばコルテッツに相当する。
  1988年生まれなので、コルテッツより10年以上も後発であるが、それ故の進化と
  完成度が評価されていることは事実。

  しかし、個人的には、そもそも、Nのロゴが好みで無い。
  一言でいえば、無粋、に尽きる。
  NだかZだか分からないアルファベットを付けられても困る。
  筆者は『Z会御用達』と揶揄するが、ではどうして今回?
  怖いもの見たさ、君子豹変す、、、と言い訳を述べる。
    
  ***

  1977年の『米・ランナーズワールド』誌でNO.1の評価に輝いた#320には、
  未だNマークがなかった。
  当時、NIKEもadidasもTigerも皆、各社のアイコン・ラインをデザインに取り入れており、
  焦ったNBが辿り着いたのがこの安直なNマークである。
 
  ナイキ党員である筆者には見向きさえも出来ないシロモノであったのだ。

  ↓雑誌POPEYE創刊号でも報じている1977年度NO.1の#320:
  

2.当地では圧倒的シェアのNBか?

   あるリサーチによれば、2017年時点での売上は首位NIKEが3兆7千億円、
   続くadidasが2兆7千億円、そして5千億円以下にNBやASICS含む多くのブランドが
   百花繚乱する状況にある。巨人ナイキの独走状態であるのだが、
   NBの成長が日本市場を中心として顕著であるらしい。
   こと、名古屋市内で道行く人の足元を見ると、事実、圧倒的にNBが目立つ。

   特に、男性は勿論、女性や年配者、はたまた子供用のNBまでが非常に目立つ。
   この傾向はナイキやadidasの若者・男性用中心とは全く異なるものであり、
   NBユーザーの裾野の広さを痛感する。
   
   恐らく、その理由は以下の戦略がハマっていると想像する:
   ❶ABCマートなどの量販店でも99Xシリーズを1万円前後の買い易い価格設定により
     ニッチ層では無く、大衆層に深く食い込んでいる
   ❷デザインに、はやり・すたりがない永続的な定番モデルの存在
   ❸目立たないが、適度なブランド性を訴求、自己主張も出来る
   ❹歩行性の良さ、NBにすれば間違いない、という寄らば大樹の陰、
     ナイキのような尖ったデザインではなく中庸のブランドイメージの確立
   ❺グレイ・ネイビーに加えて女子向けのカラバリも豊富な点

   口コミのせいかどうかは分からないが、お年寄りのユーザーが多いことも特筆できる。

3.コストダウンの塊、CM996:
   
   中でも看板モデルの996の人気は衰えを知らない。
   誰も指摘しないのであるが、NBのデザインとは『サドルシューズ』に源泉がある。
   即ち、サドル部分が靴全体のサポーター役である為、adidasやオニツカタイガーのような
   靴を包み込むサポーター的アイコンラインは元来不要であるのだ。
   しかし、ブランドの独自性を出すためにこのサドルパーツを繰り抜いたのが
   1975年にデビューした#320であり、、
   翌年1976年のNマーク登場、1977年のRunnder's World #1に至った訳である。

   このサドルデザインを基本的に全モデルに踏襲する姿勢が他社と異なる特徴であり、
   唯一無二のDNAと言えるだろう。

   しかし、996については看板モデルであるが故にコストダウンも相当進んでいる。
   現在、アジア製、英国製、米国製に大別されるが、アジア製ではNBの御家芸とも言える
   『袋縫い製法』が以下の通り簡素化されている。

   


   そして各構成パーツの品質も可也低い。メッシュ生地は最初から汚れがあったり、
   今回のCM996OGについてはナチュラルレザーのパーツは皆無。
   全てのパーツがナイロン製か人工皮革である。つまり100%石油製品に由来する靴である。
   今のSNKRSは大体どれも同様ではあるが、全体的に漂うチープ感は否めない。
   内側から見る縫製跡も貧弱である。
   冒頭写真の初対面の印象が『アンティ-ク』と感じた理由は、正に全体の質感の低さによる。

4.インソール交換後に激変した:


   そして極め付けがペラペラのインナーソール。
   これには思わず、足裏が悲鳴を上げたので、
   即刻、直営店でEVA製のインソールに交換した。
   お代は1800円税別。これも商売上の戦略鴨知れないが、
   余りに貧弱なOG(Original)インソールには開いた口が塞がらない。
   因みに交換用ではシープスキンを貼ってスベリを良くしたインソールもある。
   EVAかシープスキンか、、、どちらを選ぶかは好み次第だ。
  
   見た目からでもOGとの違いは明白である。
   交換することでクッション性、ヒールのサポート性、
   そして何よりも歩行時の快適性が生まれ変わった。

   ※表側:
   
   ※裏側:
   
   ※ヒール部分:
   

5.NewBalanceとの付き合い方:

   ランニング用、トレーニング用としての出自を持つ996であるが、現在では完全に
   ライフスタイル用・歩行用、としての地位に安住している。
   ファッション用であるのなら、自分なりに一ひねり加えたい。

   インソール交換はその一歩であり、次に拘るのはシューレース。
   ↓ OGはこちら。NB独特の粗い網目は好みで無い:

   

   ↓ 交換後はWレースでこうなった。色味にも拘った結果だ:

   


   ***

   この貧弱な縫製とパーツの不安な強度?では、恐らく4~5年で可也、ヘタってくるだろうが、
   それもまたこの靴の味である。

   今年『9足目』のNew Balance CM996OG、
   願わくば、これを最後にSNKRS三昧は暫し『9足=休息』、と逝きたいところである。


   "Some models never grow old."
   


   ※ NEW BALANCE、ニューバランス、NewBalance、NIKE ナイキ、vibram
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コメント

1番~14番を表示

2019年
10月06日
13:12

今年、BEAMS PLUSが別注した996がコチラ。
サドルシューズそのまんま、と言うのが、
この靴の特性を見事に表現しているのが分かるだろう。

2019年
10月06日
18:21

コチラは1300のNB純正ソールだが、VIBRAMの刻印が見える。
アウトソールにVIBRAMと言うのは理に叶った選択であり、
フラット形状を採用するところが『通』のブランドたる所以だろう。

2019年
10月07日
15:51

深い論考参考になりました。

スニーカー好きである為、私が通うフィットネスジムメンバーの足元は
必ずチェックします。そこではやはりゼンマイオヤジさんが仰るニュー
バランス率が高い気がします。
特にNの細身ロゴのカラフルモデルは、老若男女問わず結構見ます。

アパレルのハイドロゲンなどもビブラムソールを使用したスニーカーを
販売しています。価格はクレイジーですが。
この前ご一緒した際に松坂屋で見たスニーカーもビブラムでした。
ビブラムソール流行なんですかね。

2019年
10月07日
19:34

よやや2さん、こんばんは。

ご承知の通りVIBRAMとはイタリア製で、その出自は登山用の靴鋲に代わる
『プラスチック・スパイク』として名を馳せたソールですから、グリップ性能や、
ゴム配合にはダントツの技術を蓄積しています。

そんな老舗を使わぬ手はなく、特に欧州ブランドのシューズメーカーはこぞって採用しています。
つまり、時計同様、パーツメーカーの分業によるシステムが発達しているので、
SNKRSで採用されるのも当然というところでしょうか。

上写真1枚目:
左が純正ソール、右が完全リプレス用のVIBRAMソールです。
こんなソールが❶万円で交換できるのですから、私なら純正よりコチラで別世界を楽しみたい。

写真2枚目:
知る限り、SNKRS用のVIBRAMソールは3種類以上あります。
勿論、SNKRS以外の革靴にもオールソール可能ですので(形状次第)、
今から試すことを夢見てウズウズしています。

2019年
10月07日
19:42

褒めているか、けなしているのか分かり難いブログだが、
当然、996の良さには賛同せざるを得ない。

否、賛同していると断言しよう。

同じ996でも英国製とかは造りも別次元。
Flimby工場は何と言ってもノーザンプトン譲りの英国靴伝統の香りが漂う。

片や、米国製はホーウィン製レザーを使用するなど、革質で勝負だ。
因みに英国製はイタリア製レザーを使用することが多い。
これも英国靴の伝統的な特徴であるのだ。

2019年
10月07日
19:52

コチラは米国製の997、
ホーウィン製レザーにはスコッチグレインの型押し処理。
極め付けは”N”マークが金属製プレートである。

こんなの初めてみた。

そして、その定価は何と税別37,000円也!!!

2019年
10月07日
20:01

>因みに英国製はイタリア製レザーを使用することが多い。

分かる人には分かるのだが、そもそも英国製のレザーなんて存在しない。
英国の気候、歴史、食文化を考えれば自明の理。
英国って不毛の地なんですよ、元来。

遠い昔の話だが、私の知人は英国の田舎に留学したが、途中で栄養失調になってしまった。
英国に2回も住んだ自分の経験でも不味い///www


レザーも食事も『美味い』のがラテン系の地中海沿岸国。
フランスはその中間にある。

興味ある人は色々と調べてください。

2019年
10月07日
20:12

adidasでVIBRAMをオールソールすると、こんな風にも成増・・・

2019年
10月07日
21:19

> ”996 was not built in a day” 

ニューバランスもナイキ同様、自分の好みの色を選択出来るマイ・オーダーシステムがある。
この英文を見て、『あぁ~、マイオーダーは一日では出来ないのね・・・』

と感じ取った御仁がいたとかいないとか・・・

諸兄は当然、この意味が分かりますよね・・・

2019年
10月08日
05:52

悔やまれるのが英国で買いそびれたGrenson x New Balanceの576GRB

欲しかったなぁ・・・


https://www.webchronos.net/sns/?m=pc&a=page_fh_diary&targ...

2019年
10月08日
19:34

Wシューレースは色・艶を生み出す奥の手だ。
そのカラリングにセンスが問われるが、昔はこんな使い方は無かったなぁ。
ボリューミーで華やかな香りをもたらすWシューレースはSNKRS上級者には特にオススメ。

2019年
10月08日
20:35

ナイキ x サカイ ブレーザーを購入してWシューレースにするつもりでしたが、
いつもの事ながら外れました。

Webでいろいろな結び方が紹介されてこれまた楽しいですね。

2019年
10月09日
06:25

手持ちのSKNRS達(=古女房達、、、という所が一夫多妻のアラブっぽいけど)、
を飾ってあげるのもこれまた一興です。
シューレースを替えるだけで印象も可也変わるのが面白い点であり、
一番お手軽なカスタムですね。

sacaiのバッシュは垂涎ですけど、多分、正攻法では難しいのでしょうね。

2019年
10月13日
07:37

備忘録として:

コチラは加水分解したオリジナルソールをVIBRAMソールに全部交換した写真。
黒いアウトソールのパターンは純正に近い。

ミッドソール相当の白いクッション部分も厚みといい、その形状といい、
特にヒール周りの形状がスバラシイ。

こんなVIBRAMであれば、ナイキや他の革靴にも装着したいと思わせる。
このケースでの費用は16,000円也。

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