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青焼きの研究 実践編2020年06月14日14:57
今回は先日書いた鉄の青焼きの記事の続きを書いていきます。
あれからアルコールランプ、真鍮粉等の道具を揃え、実際に鉄線に焼入れをして、色を付けることが出来ました。

方法としては、上の画像の様に缶の容器に真鍮分を敷いて、その上に色を付ける鉄線を乗せ、アルコールランプで熱する、というものです。見様見真似なのでもっと良い方法が在るのかもしれませんが、この方法では2~3分待っていると鉄線が徐々に茶色くなり始め、そこから茶色が剥がれる様にして紫、青と順に色が変わっていきます。
火に掛けてから取り出すまで全部で5~6分位だったと思いますが、紫色が出てきてからは、片時も目が離せないので、正確な時間は測れていません。少し目を離すと、あっという間に色が変わってしまいます。
そして、3枚目の画像が焼入れ前と焼入れ後の鉄線を並べたものになります。

今回、作業をやってみて感じたのは、色ムラ無く綺麗に焼くのが非常に難しいということです。アルコールランプの火は安定していないので、少しずつ場所を移動させたり、裏返したりしながら焼くのですが、どうしてもムラになってしまいました。温度変化が各部分によって違うのが原因なのですが、その対策として何をすれば良いのかが、分かりませんでした。

もう一つ感じた事は、モリッツ・グロスマンのブラウンバイオレットの色を出すのは本当にとても難しいということです。綺麗な紫色である時間は非常に短く、取り出すタイミングは一瞬しか無いように思われます。鉄線の画像の中央の5本はブラウンバイオレットを目指して焼いたのですが、茶色が僅かに残っていて、綺麗な紫にはなりませんでした。
対して、画像の右の8本は青を目指して焼いたものもあるのですが、ブラウンバイオレットを目指して焼いて、焼き過ぎになったものもあります。只でさえ綺麗に焼くのが難しいのに、その上、難しい紫色に焼入れをしているモリッツ・グロスマンも職人の方達には頭が下がる思いです。

今回の作業を通して、鉄の焼入れには沢山の時間と労力、技術が掛けられているという事が分かりました。実際に経験をすることで、また時計を新たな視点から見る事が出来そうです。
今後も時間がある時に青焼きの練習と実験をしていこうと思っているので、新しい発見があれば、またここで書かせて頂きます。
  • 時計研究

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