2024時計見本市3日目 アミノ酸チャージの後、F.P.ジュルヌ、タグ・ホイヤーやIWCを見る【ジュネーブ日記】

FEATURE2024年新作時計
2024.04.12

4月9日(火)から15日(月)にかけて、スイスのジュネーブで開催されている時計の見本市ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2024。この時計業界のビッグイベントをクロノス日本版編集長、広田雅将が日記形式でゆる〜くレポートする。フェア3日目である4月11日は、アミノ酸チャージ後、F.P.ジュルヌの本社からスタート。その後、見本市でタグ・ホイヤーや昨日に引き続きIWCなどを取材し、夜はA.ランゲ&ゾーネのインターナショナルディナーに参加した。

モントル・ジュルヌ近くのカフェ。ここで日がな、時間を潰したいなあ。
広田雅将(本誌):文・写真
Text & Photographs by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)
[2024年4月12日公開記事]
過去のレポートはこちらから!
「『クロノス日本版』編集長の広田雅将による、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2024日記」


https://www.webchronos.net/blog/113426/


4月11日、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2024の3日目はF.P.ジュルヌの本社から

起床して頼まれものをカバンに詰める。なぜかチキンラーメン5袋入り。会場内で人に渡した。謎。

 地獄の3日目。朝起床。ヨーグルトとカップヌードルぶっ込み飯を食べる。アミノ酸最高。バスに乗ってF.P.ジュルヌの本社に向かう。30分で到着。まだ開いていないので、近くのクレープ屋でお茶を飲む。1962年創業のジョルジュ・ミュラー。朝だと2CHFでお茶が飲める。

 F.P.ジュルヌの本社で新作を見る。レインボーだが、色がシンメトリーになるようセットされている。さすがに質は申し分ない。ストラップもパーティングラインなし。広報担当のネイサン氏曰く、今回は天然石ではなく人工の石をあえて選んだとのこと。価格を抑えるため、そして均一な色を得るため。これええけど買えないだろうなー。

F.P.ジュルヌの本社であるモントル・ジュルヌ。ジュネーブ旧市街の川沿いにある。ちなみに最近、レストランを開設したらしい。行きたいけど、予約で一杯とのこと。

F.P.ジュルヌの新作「エレガント」のレインボー。セラミックガラスのあしらい方、それにセッティングも面白い。

 お土産にLIPPの食事券をもらう。いぇあ!

ジュルヌのお土産は気が利いている。なんとLIPPの食事券。しかも200CHF。行けないから人に渡したけど。ジュルヌさんはLIPPを愛用していたけど、レストランを作ってしまったので行く機会が減る。LIPPへのお詫びとして、たぶん食事券を用意したのだろう。ナイス気遣い。


 11時20分から、IWCの開発責任者であるステファン・イーネン氏と会う。めちゃくちゃ準備してくれていた。エターナルカレンダー、めちゃくちゃシンプルなんです。史上最も完成度の高いセキュラーカレンダー。「ムーンフェイズはもっと正確にできたけど、サイズを収めろという注文があったから、4500万年に1日に留めたよ。もっとも4500万年後に地球があるかはわからないけどね」。ちなみに、ムーンフェイズの計算は22兆7000億通りとのこと。謹んで訂正いたします。申し訳ありません。

IWCの超大作が「エターナル・カレンダー」だ。文字盤もサファイアクリスタル製。裏からラッカーを塗ってあるとのこと。

ポルトギーゼのセキュラーカレンダーは、史上最も簡単で使えるものだろう。写真はその心臓部。400年に1回転する歯車が入っている。

 昨日、タロさんと話していた、ヴィアネイ・ハルターとコラボした謎の兄さんのブースに顔を出した。カナダのジュエラーが始めたボーリガール。第一作はテロス、写真の最新作はヴィアネイ・ハルターとのコラボだから、めちゃくちゃ豪華だ。創業者は鉱山から直接石を仕入れるほどの変人(褒めている)だから、全く面識のなかったハルターと気が合ったのだろう。「私はバケツで石を買っているよ」。石博士万歳!

ボーリガールの創業者。宝石愛が時計業界のガチ勢を引き寄せた。「身体を悪くしたから好きなことをしようと思ったんだ」。

ボーリガール、最新作の文字盤。エナメルではなく、カットした石を埋め込んでいる。

 タグ・ホイヤーの個別取材。ついでにキャロル・カザピ姉さんと話す。同じ年だし、昔から知ってるからやりとりは雑め。新しいモナコのラトラパンテ、なぜベースにTH02を使わなかったのかと尋ねた。ヴォーシェは良すぎでしょう。「いいこと、今回はオートオルロジュリーをやりたかったのよ。だからコストは考えなかった」。姉さんのことだから、もちろん魔改造してます。ホント別物になっている。1672万円は高けぇだろ思ったけど、実物見て納得。

モナコのラトラパンテは外装も面白い。これはサファイアクリスタルの1枚板をくり抜いた文字盤。

タグ・ホイヤーの「カレラ・パンダ」。ブレスレット付きだが、重さのバランスはむしろ回復したかも。全長も短くて取り回し良し。

 カルティエで不足分を撮影。色々撮っていただきました。文字盤はやっぱりバチバチよ。プロトタイプの完成度が高い会社は、総じて業績がいいです。どんな因果関係があるかは知りませんけど。

個人的な推しがカルティエ「パンテール LM」。スマホで撮っても分かる完成度の高さ。

 ウォッチズ&ワンダーズに初参加のノモス。なんと、ペーター・ケッセルマンさんがいるということで顔を出してきた。しかし、それを抜きにしてもアリでしょ。今年のノモスは31のカラーをぶっ込んできた。今年を象徴しているようでいいね。社長のウヴェ・アーレントさんに、他社を挑発してます?と聞いたら笑っていた。

ノモスのブースには31色の時計が並んでいた。これは自撮り。オッサン会心の笑み。

 後にIWCの撮影に顔を出す。いなくていいのだけど、僕はIWCファンですので。ポルトギーゼ42mmはやっぱりいいと思うよ。

 その後、ウブロに寄り、A.ランゲ&ゾーネのインターナショナルディナー。日本からは4名参加。いろんな人から話を聞いた。アントニー・デ・ハスさん曰く、オデュッセウスはリシュモン グループの創業者である、ルパートさん直々のご下命だったらしい。そりゃいい加減なものは作れないよな。

最近のウブロは小気味よい。これは38mmサイズの新作。チタンで軽くて、そのくせ質感も高い。アリ。

ゼンマイ解き要員じゃなかった、「KODO」の設計者である川内谷さんと会う。さらに痩せた?と聞きたかったけど止めておく。腕に光るのはKODOのプロト。

ランゲのインターナショナルパーティー。顔ぶれはめっちゃ豪華。

ランゲのインターナショナルディナーにて。CEOのウィルヘルム・シュミット氏が挨拶。実は毒舌家w

ステファン・フォルセイ氏とアントニー・デ・ハス氏。スーパースター同士の語らい。

 体力的にきついので中座。7時集合、前菜が終わった時点で9時半はきついw 残ったみんなはさすがにエライ。帰路のショーファーが素晴らしい日本語(単語)を操るので理由を聞いたところ、昔の彼女に教わったとのこと。目潰ししとうございます。


恒例のおまけ

「哲人」フランク・ミュラー博士。元グラスヒュッテ・オリジナルのCEOね。「残るにはブランディングしかない。成功しているのはパテック フィリップとロレックスのみだね」。

写真撮ろうと思ったらポーズを決められた。ローラン・ペリエブースのお姉さん。「昨日はボトルが400本は空きました」。

おまけ。広田と思ったら兄(パルミジャーニ・フルリエCEOグイド・テレーニ)だった。なんだったら父と母、国籍も違うんだけどな。


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