グランドセイコーとセイコーの腕時計の魅力とは。主なブランドや選び方のポイント

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2020.10.17

グランドセイコーとは

グランドセイコーは、2017年にセイコーから独立した高級腕時計ブランドだ。セイコーの流れを汲むグランドセイコーについて、概要と魅力を紹介しよう。

セイコーの高級腕時計ライン

グランドセイコーは、セイコーのハイエンドコレクションとして1960年に登場した、世界基準の国産高級腕時計ラインである。

発表当時、既にスイスの公認クロノメーターを超越する精度の高さが実現され、1988年には精度を年差で示すほどの超高精度クォーツが実現された。

1998年には高精度の機械式を復活させ、2004年からは独自の駆動方式スプリングドライブをラインアップしている。

2017年には、グランドセイコーのラグジュアリーなイメージと、セイコーの廉価なラインを明確に分離しようという戦略の下で、単独ブランドとしてセイコーから独立し、グローバルブランドとしての新たな道を歩み始めている。

グランドセイコーの魅力

グランドセイコーの代表的なデザインは、プライベートとビジネスの両方で幅広く使える、3針のスタンダードなブレスモデルだ。

スイスに代表される高級メーカーで代表的なスポーツモデルやドレスウォッチとは、デザインのテイストが異なり、年齢を重ねても使い続けられる飽きのこないシンプルさが魅力といえるだろう。

また、ムーブメントが自社製であるうえ、検査が厳しいことで知られるスイスクロノメーターを凌ぐ基準をパスしていることも、グランドセイコーの大きな特徴のひとつである。

世界でも珍しいハイブリッド機構である『スプリングドライブムーブメント』を搭載した製品も多くリリースされ、外装だけでなく中身も納得できる腕時計として、世界中のファンを魅了しているのだ。

Ref.SBGR259

Ref.SBGR259。自動巻き(Cal.9S65)。平均日差+5秒~-3秒。SSケース(直径37mm)。10気圧防水。55万円(税別)。
Ref.SBGA301

Ref.SBGA301。自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R65)。平均月差±15秒(日差±1秒相当)。SSケース(直径40.5mm)。10気圧防水。47万円(税別)。


セイコーのその他のブランド

現在、数十種類以上のシリーズをラインナップしているセイコーのブランドから、人気を集めている有名なものを中心に紹介しよう。

アストロン

『アストロン』は、1969年にセイコーが生み出した世界初のクォーツ式腕時計から名を取り、クォーツショックに次ぐ第二の革命を起こすと宣言し誕生したブランドだ。

世界初のGPSソーラーウォッチであり、地球上のどこにいてもGPS衛星からの電波を瞬時に受信し、現在地の正確な時刻表示を可能にした機能を搭載している。

また、太陽光が当たると瞬時に現在地を確認してくれるスマートセンサーも備え、海外旅行や出張の際にも空港から出て太陽を浴びれば、すぐに自動時刻修正が行われる。

駆動力はゼンマイや電池ではなくソーラー充電を採用しているため、こまめに光を当てていれば動き続けてれくれるのも特徴的だ。

カジュアルさと端正な面持ちを両立し、デザイン面でもひと目で分かる存在感が魅力のアイテムといえるだろう。

SBXC023

アストロン 5Xシリーズ デュアルタイム クオーツアストロン 50周年記念限定モデル
Ref.SBXC023。GPSソーラークォーツ(Cal.8X53)。Ti×セラミックス(直径45mm)。10気圧防水。23万円(税別)。世界限定1500本。

プロスペックス

『プロスペックス』は、スポーツ、アウトドア、ダイビングなどのシーンに対応する、本格的な機能を追求したブランドである。

海・陸・空・走それぞれのアウトドアやスポーツシーンに特化した性能を備え、近年のライフスタイルやファッションと大きな親和性があるのも特徴的といえよう。

中でも、セイコー技術開発の集大成ともいえる『マリンマスター プロフェッショナル』は、世界中のプロダイバーから絶大な信頼を得ているダイバーズウォッチだ。

1965年に誕生し、翌年には南極観測隊越冬隊員の装備品として使用された、プロスペックスの原点ともいえる初代マリンマスター以降、名だたる冒険家や探検家に愛用されながら信頼を勝ち取ってきたシリーズなのである。

プロスペックス LXライン

2019年に誕生したラグジュアリーな新コレクション、プロスペックス LXライン。
左/Ref.SBDB029。自動巻きスプリングドライブ(Cal.5R66)。Ti(直径44.8mm)。20気圧防水。53万円(税別)。
中/Ref.SBDB027。自動巻きスプリングドライブ(Cal.5R65)。Ti(直径44.8mm)。300m飽和潜水用防水。63万円(税別)。
右/Ref.SBDB031。自動巻きスプリングドライブ(Cal.5R66)。Ti(直径44.8mm)。10気圧防水。58万円(税別)。

プレザージュ

100年を来れる時計作りの伝統を継承するのが、『プレザージュ』だ。

名門バーのオーナーが、カクテルをイメージして監修した文字盤の美しさから、『カクテル』の愛称で親しまれるようになったカラーダイヤルシリーズも、人気モデルのひとつだ。

ベゼルから立体的に立ち上がるボックスガラスや、風防に沿って針の先端を屈曲させた曲げ針など、随所に光るこだわりの仕様が、まさにグラスを満たす美しいカクテルのような魅力を放っている。

また、日本の伝統技術や豊かな精神性にスポットライトを当てたシリーズも注目を集めている。有田焼きやほうろうダイヤルなどには日本の美意識が際立っていて興味深い。

2016年よりグローバル市場での本格展開が始まった『プレザージュ』は、スーツだけでなく、大人のカジュアルファッションにも絶妙に馴染むアイテムといえるだろう。

プレザージュ プレステージライン 有田焼ダイヤルモデル

プレザージュ プレステージライン 有田焼ダイヤルモデル。Ref.SARX061。自動巻き(Cal.6R35)。SS(直径40mm)。10気圧防水。18万円(税別)。

5スポーツ

『5スポーツ』は、1963年に発売された『セイコーファイブ』をルーツとし、加速するスポーツブームに応えるべく5年後に誕生したブランドだ。

優れた防水性・視認性や強化ガラスの採用など、スペック面の進化だけでなく、ビビットカラーをアクセントとしたスポーティーなデザインに一新したことも相まって、当時は多くの若者から絶大な支持を集めた。

その後も、国産初の自動巻きクロノグラフをリリースするなど、機能・デザインの両面で独自の進化を遂げ、現在までの約半世紀にわたり、世界中の人々に愛され続けている。

腕時計に求められる役割が、時を知らせること以上に、自己表現の手段へと移り変わっていることを実感できるモデルともいえるだろう。

ルキア

女性がより魅力を引き出せるようにというコンセプトのもとスタートした『ルキア』は、1995年に発表された比較的新しいラインだ。

高機能ながらスマートで可愛らしいデザインが多くの女性たちから支持を集め、女性向けのセイコーブランドとして確固たる地位を確立していった。

ソーラー発電が採用され、電波修正機能も付いているため、不意の電池切れや時間合わせの心配がなく、カレンダーも自動修正される特徴を持っている。

エレガントでありながら実用性も追求されたルキアは、大切な人へのプレゼントとしても喜ばれることだろう。

ドルチェ&エクセリーヌ

『ドルチェ&エクセリーヌ』は、モダンでスタイリッシュな大人のカップルに向けて展開されるドレスウォッチブランドだ。

男性向けが『ドルチェ』、女性用が『エクセリーヌ』で、シンプルで気品高いデザインであるため、ペア使いしてもこれみよがしになることなく装着できるだろう。

ライフスタイルに寄り添うソーラー電波モデルや、薄型のクォーツモデルなどのシリーズに分かれている。

また、風防には光の反射を99%以上抑えるコーティングが施され、視認性にも定評があるブランドだ。