国際時計博物館(MIH)、待望の「MIHウォッチ」第2弾を発表!

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2019.10.20

売り上げはふたつの歴史的クロックの修復費用に

ジャン・ダヴィド・マイヤルデ(1748-1834年)と息子のジュリアン・オーギュスト(1779-1852年)が1830年頃に製作したグランドマジシャン。占い師が席を立ち、大げさな動きでオラクルを伝えるというオートマトンである。

 ちなみに、この時計の売り上げはMIHのアイコンであるふたつのクロックのレストアに当てられる。ひとつは、マイヤルデ父子が1830年頃に製作した「グランドマジシャン」。これはテーブルの前に座った占い師が動くオートマトン。質問内容を記したプレートを挿入すると、占い師は大げさな動きをしたのち、杖を振って、ふたつのシャッターを開ける。そこには質問への答えが記されており、占い師は仕事を終えると、自分の席に戻る。また、これらの動きが行われている間、ふたつのチューリップが広がるという凝りようだ。

フランソワ・デュコマン(1767-1837年)が19世紀初頭に製作したテリリウム。月、地球、そして太陽を載せた太陽系儀と、暦日、月、年、年齢、月の満ち欠けを示すほか、正時と15分のチャイムを備える。未修復。

 もうひとつは、フランソワ・デュコマン(1767-1837年)の製作した「テリリウム」。19世紀の初頭に製作されたこの天文時計は、ケースの上部に月、地球、そして太陽を載せた太陽系儀と、暦日、月、年、年齢、月の満ち欠けを示す銀のリングが備わるほか、黄道帯の兆候がエナメルで描かれている。またムーブメントにはリコイル式のアンクル脱進機と、正時と15分おきのチャイムが備わっている。

 時計好きが喜ぶ要素に満ちているだけでなく、歴史的に意味のあるクロックの修復にも寄与する、新しいMIH ガイアウォッチ。自分の投じたお金が、時計文化の振興に役立つと考えたら、2900スイスフランという価格は一層魅力的だろう。MIHのオフィシャルカラーであるブルー文字盤は初回200本のみの限定、しかも2020年1月20日注文締め切りなので、ご興味のある方はお早めに。

クロックの修復に携わるふたりの時計師が、オレリー・ブランキニ氏と金澤眞樹氏である。下は、彼らが修復予定のテリリウム。時計の上部には、月、地球、そして太陽を載せた太陽系儀が備わる。


Contact Info: 国際時計博物館 https://montremih.ch/