海軍由来パネライの看板「ルミノール」を解説。主要モデルと選び方

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2021.02.23

定番から高機能まで 主なコレクション

「ルミノール」には、多様なコレクションが存在する。充実のラインナップから、主なものをピックアップして紹介しよう。

スタンダートモデル ルミノール ベース

まず取り上げるのは「ルミノール ベース」だ。名前から分かるとおり、ルミノールばかりでなく、パネライの根幹をなすモデルといってよいだろう。

海軍仕込みの性能を備えている同機は、暗闇でも的確に時を把握できるように、高い視認性を有したダイアルとなっている。

さらに、パネライが特許を有するレバーロック機能付きのリュウズプロテクターも装備しており、シンプルでありながらも同社の魅力が詰まったスタンダードモデルだ。

ルミノール ベース PAM00914

ルミノール ベース PAM00914
手巻き(Cal.P.5000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約8日間。SS(直径44mm)。30気圧防水。67万円(税別)。

スポーツ向け ルミノール クロノ

スポーティーな「ルミノール クロノ」は、クロノグラフ搭載モデルである。

パネライのクロノグラフの特徴はフライバック機能付きで、自社キャリバーのP.9100を搭載している点だ。

さらにヨットレースに力を注いできた歴史に基づき、レガッタカウントダウン機能を備えた複雑機構モデルもラインナップしている。

持続時間がわかる ルミノール パワーリザーブ

「ルミノール パワーリザーブ」の大きな特徴は、時計の動作可能な残り時間を知らせてくれる点にある。海軍との関わりが強いパネライだが、戦時の前線でも確実に時計としての役割を果たすためには重要な機能だ。

ダイアル内の5時位置付近に設置されたインジケーターによって、ゼンマイの巻き上げ状況の確認が可能となり、時計の持続時間を把握できるのようになっている。

ルミノール パワーリザーブ PAM00423

ルミノール パワーリザーブ PAM00423
手巻き(Cal.P.3002)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約3日間。SS(直径47mm)。10気圧防水。107万円(税別)。

GMT機能搭載の ルミノール GMT

「ルミノールGMT」は、2カ所の時差のあるエリアでも、それぞれの時刻を同時に示してくれるタイムピースだ。国境や日付変更線を超えていく、航海のイメージから生まれたモデルである。

ルミノール GMTではセンターのGMT針で第2時間帯を確認できる仕様だが、「ルミノール 8デイズ GMT」はGMT針に加え、ダイアル9時位置にスモールセコンドと組み合わされた24時間表示を備えている。

ルミノール GMT PAM01033

ルミノール GMT PAM01033
自動巻き(Cal.P.9011)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約3日間。SS(直径44mm)。30気圧防水。97万円(税別)。

ハイエンドモデル ルミノール 1950

「ルミノール1950」は、パネライが圧倒的な自信を持って世に送り出すハイエンドラインで、コレクションの中でも圧倒的な美しさと存在感を放っている。

特徴はそのケースデザインだ。クラシカルなたたずまいは、ルミノールが生を受けた1950年当時の歴史的なデザインを復刻させたものである。

ミドルケースに丸みを与え、リュウズプロテクターも装備した同モデルは、ルミノールの歴史を確実に受け継ぐ名機といえよう。

ルミノール 1950 PAM00372

ルミノール 1950 PAM00372
手巻き(Cal.P.3000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約3日間。SS(直径47mm)。10気圧防水。99万円(税別)。

薄型になった ルミノール ドゥエ

「ルミノール ドゥエ」は、2016年に新たに市場に投入されたモデルだ。ケースの素材は「アッチャイオ」「チタニオ」「ゴールドテック」があり、ムーブメントは自動巻きと手巻きが用意されている。

それぞれに共通する特徴は、どれも薄型である点だ。デカ厚の印象が強いパネライにあって、この薄さはファンを驚かせた。107~105mmのスリムなケースサイズで、控えめな気品が加味されている。

薄型化しても、持ち前の性能は保持している。軍用時計として養われた耐久性や耐水性も申し分のない、タフネスとエレガンスを兼ね備えたモデルである。

ルミノール ドゥエ PAM01043

ルミノール ドゥエ PAM01043
自動巻き(Cal.P.900)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約3日間。SS(直径38mm)。3気圧防水。68万円(税別)。


選び方の手順

数あるルミノールから、自分にとって最適なモデルを選ぶには、どのような視点が求められるのだろうか。そのポイントを紹介しよう。

ケースデザインを選ぶ

ルミノールには、大きく2種類のケースがあることを知っておこう。それは「従来型」と「新型」である。それぞれで、各部のデザインが異なっているのだ。

新型を象徴するモデルとして、ルミノール1950を例にして考察しよう。ケースデザインにおいては、従来型と比べて立体感を持たせたものとなっている。

リュウズプロテクターには「REG.T.M.」の文字が刻印されている。パネライが特許を得ていることをあらわすものだ。

また、日付を確認するための拡大レンズが採用されていない点も特筆すべきポイントだろう。これらの違いを比較して、自分の感性と合うモデルをチョイスしよう。

ディテールを決める

ディテールを見つめ、各部の仕様で決めることも、ひとつの方法だ。ムーブメントやケースサイズ、素材、バンド、ダイアルの種類を自分なりに見極めてみるのもいいだろう。

ルミノールのムーブメントには、手巻きと自動巻きがある。現在は、ほとんどがヌーシャテルのパネライ マニュファクチュールによる自社ムーブメントだ。

ケースサイズも多様だ。最小はルミノール ドゥエの直径38mmから最大はルミノールの直径47mmまで、直径40mm、42mm、44mm、45mmというラインナップだ。

ケース素材も多岐にわたり、ステンレススティールをはじめ、チタンやセラミックス、各種ゴールド、また独自の先端素材のカーボテック、フィブラテックなどが用いられている。ダイアルカラーもブラックやホワイト、ブラウン、ブルーと多彩だ。

キャリバーP.3000

1940年代のプロトタイプを復刻した「ルミノール 1950」に搭載されているのが、キャリバーP.3000。ツインバレルによる約3日間のパワーリザーブを誇り、堅牢性も備えた手巻きムーブメントだ。