黒×金が映える造形美に注目。G-SHOCK誕生40周年を記念した“アドベンチャー”な新作をレビュー

FEATUREインプレッション
2023.02.21

黒×金ルックに合わせて、クール&ゴージャスを気取る

 問題はあらゆる意味でこの“特別な”1本を自分らしくどう使うかだ。ファッション誌ではすでに黒×金スタイルが定着しつつある。いわく“ストリートな都会感あふれるブラックスタイルを、子供っぽくなく大人の重厚さをアピールするのにゴールドアクセを添えると良い”うんぬん。ブラックスタイルは確かにひとつの装い形式として、市民権を得ているもの。

 だがしかし、ワントーンゆえに平板に見えがちな弱点もある。高級感あるゴールドアクセにてアクセント付け・差別化を図るというロジックは、それなりに有効だ。とはいえ良い歳の大人が、突然ジャラリとゴールドアクセを着けるのも気が引ける、という意見もないワケではない。

 そこへいくとこのG-SHOCKはすでに1本でブラック×ゴールドルックを完成させている。ゴールドアクセをワザワザ買うことに抵抗が(予算的な意味でも)ある人にも、スッと受け入れられるのではないだろうか。


テーラードジャケットで大人っぽくさり気なく

テーラードジャケット

こういった時計を大人が着ける場合は、思いっきり遊びに振ったほうがイイ。喜平のゴールドブレスレットなどを足したいところだが、筆者持っていなかった(汗)。

 そこで実践したG-SHOCKと黒色アウターをメインにした個人的“ブラック×ゴールドスタイル”。ひとつめは大人の定番アウターであるテーラードジャケットにブラックを選びつつ、黒シャツを着込んだ装いにG-SHOCKを合わせたスタイル。ちなみに画像には写っていないが、下半身はブラックジーンズの想定である。

 ブラックの持つ一種ミステリアスな雰囲気に「アドベンチャラー」なエクストリーム時計がよく似合っている。オケージョン的には夜の会合などのシーン。よりツヤっぽく攻めるなら、ゴールドのブレスレットを足してみるのも良いだろう。


オンスタイルへの導入はある意味ハイレベル

ホワイトシャツ

一応オン・スタイルでもイケるのかが個人的にも気になり白シャツでトライ。職種や装着する人のパーソナリティにより、成否が分かれるルックスとなった。

 ちなみにオンスタイルを想定し、羽織るジャケットは時計に合わせてブラックのまま、シャツをクリーンな白ポロに替えたバージョンも撮ってみた。下半身は同じくブラックジーンズでもグレースラックスでもOKだ。まあ悪くはない装いだが、時計のゴールドがやや浮いてしまう印象は否めない。携わる職業にもよるが、真面目なオフィス勤めだった場合、給湯室などで「あの人、なんかイキってるよね」とか噂されかねない感じがある。


スポーティなレザーブルゾンで、アクティブかつファッショナブルに

レザーブルゾン

ヌバック調のレザーブルゾンはMA-1風のデザイン。時計の淡くマットなゴールド外装に合わせてベージュ柄のあるスカーフを巻いてみた。

 そして個人的にもオススメとなるのがブラックレザーブルゾンによる合わせ。活動的なショートブルゾンにブラックカーディガン。そしてG-SHOCKのシャンパン系ゴールドに通じる柄のシルクスカーフを巻いた、タフで遊び気分のあるオフスタイルだ。

 オフスタイルとは言えこのG-SHOCKのデコラティブ加減は相当なモノである。時計だけが浮かぬよう装いにもアクセントを設けると、全体のまとまり感がアップすると感じられた。


ライダーズとの相性は予想どおり悪くない

ライダーズジャケット

ダブルのライダーズは1970年代製、ショットのワンスター。ギミックの強い革ジャンとデコラティブなG-SHOCKの相性は悪くない。

 そして余計な蛇足となるが、今季個人的にはレザーブルゾンならばダブルのライダーズを俄然着たい気分。そこで内側の装いはショートブルゾンのセットを維持しつつ、アウターだけ換えたスタイルを試してみた(下半身は太めのブラックパンツ想定)。

 かなりデコラティブなルックスのダブルライダーズだけに、時計が浮いてしまう問題は完全に解決されて見える。スカーフのエレガンスと革ジャンの土臭い、いわゆる甘×辛なコーディネートが絶妙に成立している気がする。とは言え「ヨシ、じゃあやってみっか!」という読者も多分いないだろう。完全に趣味の世界である。

サイドボタン

フルメタルG-SHOCKなどの一部モデルに、ボタンの押しづらさを少し感じたことがある。しかしこのGM-114GEM-1A9JRは非常に良好。当たり前のことだが、押すことにストレスがないのは素晴らしい。

 この新たな世界観が目を引くG-SHOCKだが、着けてみて改めて思ったことのひとつにボタン操作のしやすさが挙げられる。以前のメタルG-SHOCKなどのプッシュパーツは非常に押しづらさがあった。しかし、このモデルのプッシュは接触面が広いからだろうか、ボタン表面の刻みが功を奏しているのだろうか、非常に押しやすく好印象。

 あとひとつ気になったのが、インデックスとY型文字盤のゴールド加減。金色のトーンが少しキラキラしすぎていて、大人の装いにマッチしづらい部分があると感じた。それ以外はいつものG-SHOCKらしさをきちんと網羅しており、世界トップのタフ時計として信頼感あるパッケージに仕上っている気がする。


エリック・ヘイズが手掛けたロゴに思いを馳せて

ケースバック

控えめ(?)にあしらわれている、ヘイズによる「40周年」ロゴ。G-SHOCKにはストリートなデザインがよく似合う。

 また、ケースバックには40周年を記念し、25、30、35thでもロゴを手掛けたエリック・へイズが再度40thロゴもデザインを手掛けているところに注目した。ヘイズは筆者がストリートカルチャーに興味を抱いていた90年代に、日本でも多くの作品が紹介されたグラフィック・アーティスト。グラフィティというアクションに魅了された自分は、2000年はじめまでシーンの動向・変遷が気になっており、関連書籍を購入していた。

 ヘイズによるG-SHOCKのアニバーサリーロゴは、25周年時から続いているとのことで、今季で足掛け15年。カシオとヘイズ、継続してリレーションを繋いでいることに強くリスペクトを表したい。

Tシャツ

ストリートな青春時代を送った筆者。路上アートであるグラフィティにかなりの斬新さを感じ、関連雑誌などを購入しそのシーンを追っかけていた。写真のTシャツはスタッシュが手掛けたベイシングエイプのもの。街の外壁などにこっそり描くグラフィティは、当初マスに飲み込まれまいと抵抗する個人の抗いといった側面があった。また中国では、その昔敗残の知識人などが水筆で地面に報われな想いを書いたことに始まる「水書道(書いてすぐ消える)」という遊びがあるとか。抵抗の美は今も筆者の軸である。


Contact info: カシオ計算機お客様相談室 Tel.03-5334-4869


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