時計ブランドはどう選ぶ?選び方と目的別のおすすめ7ブランド

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2023.04.05

腕時計の選び方

腕時計を選んでいる時間は、腕時計を身につけている時間と同じくらい尊いものである。とはいえ、腕時計は選び方を間違えると「結局は着用しなくなってしまった」なんていうことにもなりかねない。そうした悲劇を避けるために3つのポイントをおさえておこう。

シーン・目的を明確に

コレクターでもない限り、時計を着けることを想定しているシーンやその目的を明確にしておいた方がいいだろう。たとえば仕事用なのか休日用なのか、仕事は内勤なのか外回りなのか、タウンユースなのかキャンプなどアウトドア用なのかといった具合だ。

外回りで取引先と会う機会が多いにもかかわらず、華美なデザインだったりカジュアルすぎたりする時計は社会人としてのマナーに欠けてしまう。まずは時計を着けるシーンや目的を明確にしておこう。

ライフスタイル・ファッションスタイルを理解する

使用の目的やシーンを明確にしたあとは、自分自身のファッションやライフスタイルとマッチするかを考えよう。所有する服と合わない時計を選んでしまうと、時計ばかりが悪目立ちしてしまい、せっかくの時計も一気にセンスが悪く見えてしまう。

一方、職種や業種によっては、秒単位、分単位のズレも許されないようなケースもあるだろう。

機械式の場合はムーブメントにもよるが、日毎に十数秒の遅れや進みが生じてしまう。時間を重視する職種に就いている場合は、精度が高く安定したクォーツ式がおすすめだ。くわえて、毎日時計を着ける習慣がない人だと、着けるたびにゼンマイを巻いて時刻を合わせる必要があるため、機械式を不便に感じる場合もあるだろう。

機能・利便性を見極める

時計は時間を確認するだけのツールではない。日付表示ひとつとっても、月・日・曜日すべてを表示するものもあれば、日にちのみの表示もある。

防水機能のある時計なら、日常生活レベルのものやダイビングに対応するレベルの防水性能を備えたものなど、モデルによって特化している機能はさまざまだ。

腕時計を着けるシーンや目的、ライフスタイルやファッションスタイルをふまえたうえでクロノグラフやGMT機能、デュアルタイム機能など、どのような機能が必要か考えるといいだろう。

GMTとは何を指すのか。標準時やGMT機能について解説

https://www.webchronos.net/features/34820/


おすすめ・人気の時計ブランド

ここからはおすすめの腕時計ブランドを紹介するとともに、それぞれの特徴やどんな人におすすめなのかも解説する。本格時計の入門者から、持ち物にポリシーを持った人まで、様々な人に楽しんでもらえるような時計ブランドをセレクトした。

本格時計入門者向け

まずは記念すべき最初の1本におすすめのブランドから。本格時計の入門者はぜひチェックしてほしい。

  • ロンジン

    ロンジン スピリット Zulu Time

    ロンジン「ロンジン スピリット Zulu Time」
    ロンジンの時計を愛用した冒険家にオマージュを捧げたコレクション「ロンジン スピリット」。ヴィンテージウォッチの雰囲気を漂わせるルックスもさることながら、この時計は協定世界時(UTC)の別称である“Zulu Time”をモデル名に付与していることからも明らかなように、GMT機能を搭載している。自動巻き(Cal.L844.4)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mm)。10気圧防水。45万3200円(税込み)。

    本格時計の入門者におすすめしたいブランドが「ロンジン」。高級時計ブランドが集まるスイス発のブランドで創業から190年以上もの歴史を誇る老舗だ。

    スイス時計というと品質の高い機械式、そして数百万レベルの価格帯も珍しくないが、ロンジンはスイス時計らしい品質の高さはそのままに、15万円ほどからという手の届きやすい価格帯が最大の魅力だ。人気の高いラグジュアリースポーツウォッチからクラシカルな佇まいのタイムピースまでコレクションも豊富。しかもアフターサービスも充実しているため、これから本格時計の世界に足を踏み入れるにはもってこいのブランドといえる。


  • オメガ

    シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル マスター クロノメーター

    オメガ「シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル マスター クロノメーター」
    オメガを代表する「シーマスター」コレクションの中で、150mの防水性能を備えつつも、洗練されたデザインで支持を獲得しているのが「アクアテラ 150M」。ダイアルにはヨットのウッドデッキを想起させるストライプ模様「チークコンセプト」を配し、ブランドと海との関わりを明らかにしている。自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm)。15気圧防水。83万6000円(税込み)。

    「オメガ」といえば言わずと知れた世界的な高級時計ブランドだ。高級時計に興味を持ったきっかけがオメガという人も多いだろう。エントリーブランドにオメガは早いと躊躇する人もいるだろうが、最初の1本だからこそ世界が認める定番ブランドから選ぶのが良い。

    また、日本国内にも取り扱い店舗は多く、困った際に問い合わせしやすいのも嬉しい。オメガの看板を張るマスター3部作なら、定番中の定番で流行に左右されることもなく一生使い続けられる相棒時計になれるだろう。


  • ハミルトン

    ジャズマスター パフォーマー オート

    ハミルトン「ジャズマスター パフォーマー オート」
    クラシカルな印象の強かった「ジャズマスター」コレクションにスポーティーなエレメントを加えた2023年の新作モデル。搭載する自動巻きムーブメントのH-10は約80時間のパワーリザーブを備えており、実用性も十分。自動巻き(Cal.H-10)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径38mm)。10気圧防水。14万9600円(税込み)。

    アメリカ生まれの「ハミルトン」は、長い歴史の中でアメリカからスイスへと拠点を移した異色のブランドで、アメリカらしいデザインはそのままに、スイスの高い技術力を有している。また、ハミルトンもロンジンに負けないコストパフォーマンスの高さが大きな魅力だ。

    ヴィンテージ感あふれる渋いデザインが人気を呼び、若い世代からの人気も高い。自動巻きのモデルを多く取り揃えており、初めての機械式時計や入学や就職といった新生活を機に手にする時計としてもおすすめだ。

国産ブランド派向け

ここからは、日本生まれの高級時計ブランドを紹介する。国産ブランドは日本らしい繊細で丁寧な時計づくりが魅力だ。日本が世界に誇る、素晴らしい技術の数々を体感してほしい。

  • ミナセ

    セブンウインドウズ

    ミナセ「セブンウインドウズ」
    曲線で構成されたスクエアのアウターケースと、ムーブメントを内包するインナーケースとが融合したケース イン ケース構造を“7つの窓”から確認できる、独創性あふれる1本。複雑な構造を可視化させただけではなく、ミナセの突出したケース製造技術をも堪能できるモデルだ。自動巻き(Cal.KT7002)。SSケース(縦46.5×横37.4mm)。5気圧防水。66万円(税込み)。

    「ミナセ」は“100年後も語り続けることのできる時計づくり”を信念に、ケースメーカーとしての優れた技術力で唯一無二の時計を生み出している。独自の構造を持つ時計は、信念でもある理想の時計を実現するためさまざまな工夫が施され、高い技術力を誇る時計職人たちがひとつひとつ手がけているのだ。

    日本の伝統工芸や四季を取り入れた独創的なデザインは芸術作品と呼ぶにふさわしく、海外からも高い評価を得ている。


  • グランドセイコー

    グランドセイコー ヘリテージ コレクション SBGH277

    グランドセイコー「ヘリテージ コレクション SBGH277」
    グランドセイコーらしい、シンプルながらもシャープなルックスが印象的な「SBGH277」。搭載するのは高振動ムーブメントの9S85で、その精度は平均日差+5秒〜−3秒を誇る。自動巻き(Cal.9S85)。37石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径40mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。77万円(税込み)。

    「グランドセイコー」は、もともとセイコーの中でひとつのコレクションとして展開されていたが、その後独立し、国産高級時計ブランドとして世界中から高い評価を得ている。「最高の普通」「実用時計の最高峰」のコンセプト通り、あらゆるシーンで着用できる、ベーシックかつ高精度な時計が揃っている。

    高級機として展開されているだけあり、細かなディテールからも品格が感じられ、誠実な印象を与えてくれる。そのため、とくにビジネスシーンで活躍すること間違いなしのブランドだ。

クォーツ式派向け

高い精度や実用性を重視するなら、断然クォーツ式時計だ。高級時計ブランドは機械式をメインとしているが、クォーツ式を取り揃えているブランドも少なくない。

  • セイコー

    セイコー スポーツ コレクション SBGN027

    セイコー「スポーツ コレクション SBGN027」
    時計を止めずに時針の単独修正が行えるクォーツムーブメント9F86を搭載したGMTウォッチ。スポーティーな雰囲気の中にも落ち着きを感じさせるルックスは、カジュアルな装いはもちろん、スーツスタイルにも品よく収まる。クォーツ(Cal.9F86)。SSケース(直径39mm)。日常生活用強化防水(20気圧)。42万9000円(税込み)。

    日本が世界に誇る時計ブランドといえば「セイコー」だ。腕時計をマスプロダクトへと押し上げたクォーツ革命は、セイコーの技術力と開発力が世界に勝った証明ともいえるだろう。国産のクォーツ式時計なら圧倒的な人気を博すセイコー一択といっても過言ではない。

    品質の高さもさることながら、コレクションごとに特化した優れた機能性にも人気が集まる。ダイバーズウォッチやクロノグラフなどにおいても、数万円から数十万円とスペックや価格に合わせて選びやすいのも魅力だ。


  • カルティエ

    タンク マスト

    カルティエ「タンク マスト」
    1919年の発売以降、多くの著名人を魅了し続けてきたカルティエのアイコニックモデル「タンク」。ケースサイドとラグを一体化させたレクタンギュラーウォッチは、誕生から100年以上が経った現在でも支持を得ており、中でも2021年に誕生した「タンク マスト」は、過去の代表作を踏襲したシンプルなラインと、多彩なバリエーションが好評を得ている。クォーツ。SSケース(縦33.7×横25.5mm)。日常生活防水。41万8000円(税込み)。

    ジュエリーやバッグなど女性向けの印象が強い「カルティエ」だが、実はカルティエの時計を持っている男性も少なくない。比較的、高価な印象があるブランドだが、クォーツ式であれば、カルティエの時計でも30万円から手に入る。

    また、ペアウォッチや女性へのプレゼントでも喜ばれるだろう。コンパクトなケースサイズが多く、ドレッシーな1本を探すには最適だ。おすすめはレザーベルトとの相性がいい「タンク マスト」。もう少し男性らしさが欲しい場合は、「サントス」のメタルブレスレットもおすすめだ。


世界に溢れる時計ブランドから自分だけの1本を

いいものを選ぼうと思うと、決して安くはない腕時計。懸命に選んだ時計で後悔してほしくはないし、一生の思い出となる1本と出合ってほしい。多少の勢いは必要ではあるが、勢い任せで購入してしまわないよう、下調べを入念に気の済むまで運命の1本を探そう。

世界中にあふれる数々の時計たちの中には、必ずあなたのライフスタイル、考え方に合う時計があるはずだ。


グランドセイコーの魅力はどこにある? 選び方やおすすめを紹介

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オメガ、名機ぞろいの腕時計。コレクションの種類と人気モデルを紹介

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カルティエの時計の種類を知ろう。主力3シリーズと人気モデル紹介

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