G-SHOCK誕生40周年を祝う新作「GMW-B5000PS-1JR」をレビュー。再結晶化技術による“煌めく”外装に釘付け!

FEATUREインプレッション
2023.04.19

想像以上にジャケットスタイルとの相性が良いデザイン

 デザインはオリジンに準拠したものであり色味も落ち着いているので、どのようなカジュアルスタイルにも合わせやすい。G-SHOCKを使い慣れている人にとって心配要素は何も無い。意外であったのはジャケットスタイルとのマッチングの良さだ。

GMW-B5000PS-1JR

 筆者の個人的意見として、オリジンのベースモデルとなる「DW-5600」もジャケットスタイルなら”ジャパニーズ・ビジネスマン”といった趣で相性が良いと思っているのだが、本作はより一般的な意味でマッチングが良い。

先ほど述べたようにマットで”Low-key”な印象が落ち着き生み出しており、これがジャケットスタイルに合わせやすいと感じさせる要因となっている。加えて、ケースのきらめきによって地味になりすぎず、コーディネートのアクセントになっている。


G-SHOCK高級機に準じた充実した機能

 機能は、タフソーラー、マルチバンドの電波受信を備え、モバイルリンクに対応した最新世代の「モジュール3539」を搭載する。ストップウォッチやアラームといった基本機能から、サマータイムに対応したワールドタイム機能を備えるなど、G-SHOCK高級機の基本を押さえた仕様となる。

 この中で筆者が注目したのはリマインダー機能だ。「CASIO WATHES」のアプリから予定などを登録しておけば通知してくれる機能である。筆者がスマートウォッチを使ってもリマインダーぐらいしか使わないので、筆者と似たような運用方法の方にとっては本作がスマートウォッチ並みの利便性を備えていることになる。

 本作の液晶画面は反転液晶で、暗がりに入ると視認性が悪い。ただしオートライト機能を備えており、意識的に腕を上げればELバックライトが光って視認性を助けてくれる。この時の光り方はスッと立ち上がって短い時間で消灯する。この調整が絶妙で、必要最低限かつ必要十分であるように感じた。このあたりは長年のチューニングの賜物なのだろう。

 電池式モデルであれば消費電力の増加、すなわち電池寿命が短くなることが気になるが、タフソーラーならば積極的に充電すれば良い程度であり、オートライトは積極的に使ってゆきたいところだ。なお、点灯時間は2秒と4秒のどちらかを選ぶことができる。配慮が細かい。


フィット感を得やすいバランスとブレスレット

 着用感は金属製のオリジンデザインの着用経験がある人にはおなじみのものだ。ケースの厚さは13mmで袖への収まりも良い。ブレスレットは薄手で、周長18cmの筆者の手首にはラグ部の浮きも無くてフィット感が良い。重量のバランスも取れている。バックルは簡素なものだが薄手で着用感が良く、約1cmの調整を備えていて機能的に文句なしだ。バックル部分も再結晶化されてデザインの統一感がある。

GMW-B5000PS-1JR

 本作(および同等のシリーズ)のブレスレットは、コマがバネ棒によって接続されている。分解と組み立てがしやすく、コツさえ掴めば自分で調整可能である。バックルの調整機構も組み合わせると最適なフィッティングを探りやすい。フィッティングの良さや重量バランスの良さによるものか、167gとそれなりの質量があるが着用感は軽快であった。

さらに、このブレスレットの分解可能であることのメリットは他にもあり、バネ棒が消耗しても交換が可能でメンテナンス性が良いのだ。原理上、深層硬化処理はバネ棒の受け部分にも効いているはずなので、穴が緩くなる心配も少なそうだ。このあたりの設計思想から信頼性を重視するG-SHOCKの信念を感じる。


惜しむらくは限定モデルであるということか

 ここで述べたように、本作の外装には独自性があり魅力的である。しかし、惜しむらくは本作は限定生産品であることだ。欲しくても入手が叶わない人もいることだろう。

GMW-B5000PS-1JR

 本作の再結晶化を積極的に用いる表現手法は、G-SHOCK40周年記念モデルとして刀工の名門「月山(がっさん)」とコラボレーションした「MRG-B2000GA」のチタン外装でも用いられていた。素材が異なるのでプロセスをそのまま流用したものではないが、表現のアプローチは近い。

G-SHOCKは上位モデルで確立した技術や表現手法を、手の届きやすいモデルに展開することが多い。この再結晶化の表現も、機を見ながら次なるモデルに採用して欲しい。本作は、そう思う魅力を備えたモデルであった。


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