時針の単独調整と日付の早送り機能の併載という、使い勝手の優れたGMTウォッチがボール ウォッチより発売される。“ペプシ”と“コーク”の2色展開される「ロードマスター パイロット GMT」は、旅の相棒として頼れる存在となるに違いない。
細田雄人(クロノス日本版):文 Text by Yuto Hosoda(Chronos Japan)
2021年12月 公開記事
日付と時針を単独調整できる、頼れる〝旅時計〟
ブルーとレッドのセラミックベゼルを採用した通称“ペプシ”。ケースは軽量で装着感に優れる。自動巻き(Cal. RR1204-C)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。Ti( 直径40mm、厚さ14mm)。300m防水。世界限定1000本。予価33万円(2021年12月発売予定)。
こちらは“コーク”モデル。セラミックベゼルのレッドは“ ペプシ”よりも落ち着いたトーンを持つ。自動巻き(Cal. RR1204-C)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。Ti(直径40mm、厚さ14mm)。300m防水。世界限定1000本。予価33万円(2021年12月発売予定)。
世界的なパンデミックにも少しずつ収束の兆しが見え始めた。それと並行して、海外旅行解禁に向けた準備をそろそろ開始しようと考えている人も多いはず。そんな方々へお勧めしたいのがGMTウォッチだ。今回は数多く存在するGMTウォッチの中でも、特に優れた操作性を持つボール ウォッチ「ロードマスター パイロット GMT」を紹介しよう。
この時計は24時間で1周するGMT針でホームタイムを、24時間スケールの回転ベゼルを組み合わせることで、自分が今いる地点の時刻(ローカルタイム)に加え、もう1カ所の時刻を知ることができる。しかし一概にGMTウォッチと言っても、GMT針を単独で調整するものや、24時間スケールが記された回転ベゼルで第2時間帯の設定をするものなど、そのバリエーションはさまざまである。いずれの方式にもメリット・デメリットが存在するが、その中でも使い勝手の良さから徐々に数を増やしつつあるのが、ロードマスター パイロット GMTでも採用する時針の単独調整タイプだ。
時針とGMT針を同時に動かして後者を合わせ、後から時針のみを単独で調整するため、一度時間設定をしてしまえば、基本的にはGMT針の調整が必要ないという点がメリットとして挙げられる。本来、GMT針は着用者の活動拠点のタイムゾーン(ホームタイム)を示すもの。つまり国内外を問わず、この針は動かす必要がない。ところがこれまで主流だったGMT針の単独調整タイプでは時刻調整のたびに時針とともにGMT針も動いてしまうため、再度時刻調整する際にGMT針も戻さなければならなかったのだ。
このGMTウォッチとして圧倒的に使い勝手に優れる時針単独調整をリュウズではなく、8時と10時位置のプッシュボタンで行うのがロードマスター パイロットGMTの特徴である。10時位置が時針の進み、8時位置が戻しを担うため、ねじ込み式リュウズを解除せずとも時刻調整が可能だ。加えて、プッシュボタンは回転させることでロック/ロック解除をできるため、誤作動の心配も少ない。また、時針の単独調整の際はリュウズを使用しないため、リュウズの1段引きポジションには多くの時針単独調整式腕時計が持たない日付の早送り機能まで備える。
なお、ボール ウォッチでは2021年から発売するモデルのすべてが、C.O.S.C.のクロノメーター認定ムーブメントを搭載する。つまり、ロードマスターパイロット GMTは優れたユーザビリティーだけでなく高精度も併せ持つモデルなのだ。タイムゾーンを跨ぐ移動の際に求められる機能を網羅した、まさに旅に欠かせない相棒。そんなモデルが30万円台で販売されるのだから、世界限定1000本は決して多い数字ではない。
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