河村隆一の選ぶ2023年新作時計ベスト5! 腕時計の「真ん中」を体現した傑作たち

FEATUREその他
2023.04.26

・ロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスター 42」

グレード5チタンの一種であるRLXチタンを採用したモデル。外装の重さは従来モデルの約2/3に減った。60周年を迎えた「デイトナ」ではなく、このモデルに注目するのはさすが。

「ロレックスは、機械加工で作る時計の頂点だと思っています。ロレックスの、ステンレススティールの時計を持っているのですが、素材がとても丈夫なんですね。

軽くぶつけても傷が付きづらいなと。で、そういうメーカーがチタンを出したわけじゃないですか。僕の興味のあるポイントはそこなんですね。ロレックスが使うチタンって、さぞ良質な素材に違いないと。きっと、時計業界のチタンに対する常識は、ロレックスのこのモデルで変わってしまうんじゃないでしょうか」

オイスター パーペチュアル ヨットマスター

ロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスター 42」
プロフェッショナル向けを追求したモデル。時計が軽い上、セーフティキャッチ付オイスターロッククラスプにイージーリンク(エクステンションリンク)の組み合わせは、理論上は優れた装着感をもたらすはずだ。自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。RLXチタンケース(直径42mm、厚さ11.60mm)。100m防水。167万900円(税込み)。


・フレデリック・コンスタント「クラシック トゥールビヨン マニュファクチュール」

河村隆一氏が目を向けたのは、エステティックに手を加えたフレデリック・コンスタント創業35周年記念モデル。サイズが直径39mmと小ぶりになったほか、6時位置のオープンハートもより強調された。

「フレデリック・コンスタントって、価格を問わず、本物の腕時計らしい堂々としたデザインを持ってますよね。サイズも、今は40mm径や42mm径が支流の中、今回は39mm径にまとめている。しかもケースの厚みが約11mmしかないから、バランスが良いんですよね。ダークな仕上げの文字盤もいいと思います。

また、トゥールビヨンのキャリッジの位置もバランスが取れている。でも価格は400万円強なんですよね。自社でトゥールビヨンを作り、ここまでプロダクトをまとめるあたり、他社にとって脅威になっていくのではないかと思います」

クラシック トゥールビヨン マニュファクチュール

フレデリック・コンスタント「クラシック トゥールビヨン マニュファクチュール」
外装をブラッシュアップさせた創業35周年モデル。自動巻き(Cal.FC-980)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。18KRGケース(直径39mm、厚さ10.99mm)。30m防水。世界限定150本。418万円(税込み)。



選者のプロフィール

河村隆一

アーティスト、プロデューサー。1992年にLUNA SEAとしてメジャーデビューを果たす。97年からソロ活動も開始。アルバム『Love』は男性ソロアーティストのアルバム売り上げ歴代1位を記録している。腕時計のコレクターとしても知られており、その傑出した審美眼や深い見識は多くの時計関係者から注目されている。


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