【80点】オリス/ビッグクラウン プロパイロット アルティメーター

FEATUREスペックテスト
2015.06.03

クロノスドイツ版が今回のテストで使用したセスナ182が離陸を待つ。 

ュヴァーベン地方、ギュンツブルクにある飛行場に車で到着した時、幸いにも地面はまだ凍結していた。芝生の上に敷かれた短い滑走路は、凍っていなければかなり軟らかく、我々が乗り込む4座席のセスナ182が浮上するのに十分な速度が得られないからだ。

今回のテストウォッチ、オリスのビッグクラウン プロパイロット アルティメーターで航空高度を正しく測定するには、離陸前にいくつか準備しておかなければならないことがある。まずは、気圧の設定である。ビッグクラウン プロパイロット アルティメーターの高度計は気圧を利用することで作動する。気圧は天候に左右されることから、測定を開始する時点の気圧をヘクトパスカルで設定しておく必要がある。気圧設定は4時位置にあるリュウズで行う。このリュウズを回してねじ込みを解除すると、内部の気圧計に空気が届く。この時、時計は防水性を失った状態になるが、ユーザーがそれを忘れないように、4時位置のリュウズの付け根には赤いリングが現れる。リュウズをさらに引き出して回し、現時点での気圧を6時位置にある赤い三角形に合わせれば、スタート時の気圧が設定できる。飛行場の高度が分かっていれば、離陸前に黄色い針をスタートポイントの高度に合わせておく方法もある。通常、飛行場の高度はフィートで表示されるので、我々も高度計を1460フィートに設定した。これは445mに相当する。この後、ねじ込みを解除したポジションまでリュウズを押し込めば、準備は完了だ。
今回のテストには、フィートスケールを搭載したモデルを選んだ。フィートは航空高度を表す際に世界的に使用される単位であり、フィート表示の方がセスナに装備されている高度計とビッグクラウン プロパイロット アルティメーターの表示を比較しやすいからである。もちろん、オリスはメートルスケールを搭載したタイプも提供している。登山者やスキーヤー、また、パイロット以外の愛好家には、メートルスケールのタイプの方が使いやすいだろう。ビッグクラウン プロパイロット アルティメーターは、パイロットウォッチとしての遺伝子を名乗っているだけではなく、パイロットのための計器でもあることをひと目で認識できるモデルなのだ。