独立時計師のフランソワ-ポール・ジュルヌによって、1999年に創立された時計ブランド。創業者であるフランソワ-ポール・ジュルヌは、フランス・マルセイユに生まれ、14歳で同地の時計学校にて時計製作を学び始める。パリの時計学校に進んだ後、叔父の工房で研鑽を積む。叔父はアンティーク時計の修復師であり、ここでフランソワは18世紀の名作に触れ、大きな影響を受けた。1982年にはトゥールビヨン懐中時計を製作するなど実績を積み、1985年、パリのサンジェルマン・デ・プレに工房を開設する。以降は、時計師アブラアン-ルイ・ブレゲがマリー・アントワネットのために製作した時計にインスピレーションを得た自動巻き懐中時計や、イギリスのジョン・アスプレイ社から依頼を受けた「シンパティック・クロック」などの製作を手がける。また1980〜90年代にかけて、さまざまなムーブメントの設計に携わる。1991年には、独自のルモントワール機構を搭載した自身初となる腕時計を作り上げた。
1999年、スイスの時計見本市バーゼル・フェア(現バーゼルワールド)にてウォッチコレクションを発表し、自身の名を冠したブランドとして「F.P.ジュルヌ」を立ち上げる。同年、初の量産モデル「トゥールビヨン・スヴラン(Ref.T)」を発表した。この時計はトゥールビヨンのキャリッジのそばに、定力装置であるルモントワール機構を備えることで高精度を実現した。また独創的なダイアルデザインも特徴のひとつだ。2001年に発表された「オクタ」は、約120時間のパワーリザーブを持つ自動巻きモデルとして、同社の基幹コレクションとなった。また同社では、1本の時計を1本の時計師が責任をもって組み立て、一定の保証期間中もその品質の責任を負う、という生産および保証体制が取られている。